ブックカバーお掛けしますねと30ページで折り返す 栞の代わり
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一色の空に映える満月で積んだファイトをOKってことにして
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雨の中傘をささずに歩いても可哀想には見えない私
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めでたさも中ぐらいだと一茶言い少しもめでたくない誕生日過ぎた
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幸せにできないけれどそばにいて 涼しくなった夕暮れの風
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あなたに ただわたしを のこしたく 選んだ香りは ジャスミンの花
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アオハルを鼻で笑ってぶつけあう缶ビールこそ青春だった
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炎天のごと容赦なくわれを焼くきみのやさしさ正しさ強さ
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次の朝 君も朝日で起きますよう 祈るみたいな白い愛を知る
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ショートケーキのイチゴから腐らせるみたいな生き方しかできない
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夜なのに昼だと思い鳴くせみが二匹網戸にはりついている
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どろどろとした太陽は完全に固まりきらずにのぼってくる
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木葉屑草壁若葉花いきれ 牛迷宮に学生帽は燃えつきにけり
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遺骸数多納められてある地下納骨堂に続く青年の奥処を燈れる錫の世紀は
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おろしたてのノートのような涼しさに 寂しさ混ぜて出来上がる秋
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進めない今日も明日もその次も ただ緩やかに後退していく
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案外と 照れくさくて うおたぎら 伝わらなくても いいけど別に。 
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青い鳥 君の言葉は夢に出る 私の中で響いて混ざる
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夏空の夜半吹く風すこしずつ向かう秋へと衣を替える
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22時ラーメン食べる?のメッセージ22歳乙女らの青春
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眼鏡かけ分厚い辞書を飲み込めば神になれると疑わぬ子供
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このまんま大都会へと運ばれたい 田舎で人々見送る朝
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「反抗期」そんな三文字で済まされて たまるものかとまた抗った
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玉葱を剥くえんえんと剥くいつかきみの悪意を間近で見たい
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君の名は七文字だから適切で 八文字ならば適切でない
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「八月は何処へ行ったの?」「海ですか?藻屑となって消えたのですか?」
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誰か呼びに来てくれるまで ずっと君 うずくまって 待ってるつもり?
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太陽は照らすことしかできぬから道の半ばで百足が死んだ
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好きだった その一言が 聞きたくて 参加に印 入れるクラス会
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遠ざかる景色のそばの ( 君だけ ) が見える想いを寄せる駅
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