Utakata
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お前のためだと 叱るお前の顔は エゴの見え透いた 粘土の塊
1
不幸ほど 死んだときに 綺麗に輝く星になる そんな嘘を 誰かが吐いた
0
春風のホームで駆け込み乗車する桜
(
はな
)
ひとひらを待ち閉まるドア
17
昼寝から覚めたら雪が、それくらいあっさり生きて死ぬなどしたい
5
ほし空は 宇宙を流れる 墓標のようで 誰かの死を 弔っている
1
もう過ぎた春はチョークと共に消え 「私のことを覚えていますか?」
0
私を置いて先に行かないで 半分残したショートケーキ
0
大通り 散る花びらが 吹き上がる 勝手に行くな 私のはるよ
1
髪を結い大人びた君繋いだ手 離して駆ける桜舞う門
0
目を閉じて乳白色の夢をみるそれで真っ赤な地獄が失せるの(メデューサ)
0
猫の尾のゆるやかに擦り寄せられて 愛しているし 愛されている
1
コーヒーが冷めゆく痛みに耐えられず氷を入れるぬるい悲しみ
5
学校を休む日の朝 本棚に並ぶ漫画の背表紙を見る
2
メレンゲを食べるなどしてふわふわの君の寝癖を思い出す朝
5
物体として立ちをれば刻々に我より岐れゆく向ひ風
2
暗記する箇所はどこにも無いけれど栞を挟む君と見た頁
14
色褪せたポスター話す鬼怒川へ 行ってみようか 今度二人で
2
労働を 燃やす準備の手始めに 危険物乙
4
の免状をとる
1
くしゃみして 鼻すする君 春の頃 構わず換気し ごねる声、背に
0
想い出は数に限りがありまして忘れていくね ごめん母さん
6
月隠れ 忍ぶ気配に 振り向けば 黒猫睨む 僕の焼き鳥
1
対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースが拗ねる夜・
0
生きていて"ごめんなさい"と"よかった"を反復横跳びしてる僕たち
13
火葬場のけむりが空気に拡散しぼくらはすこしずつ死を纏う
6
人のない夕日の路地の風だけがそっとめくれる乱歩のページ
4
園丁が生真面目なのでタンポポも首をすくめて群れ咲いている
5
20
%
(
パー
)
引きのレタスの黒ずみのごとき生活 今日も明日も
2
肉じゃがを作った私えらすぎる なので今日は飲酒
OK
0
息を呑む 褪せた世界の 王への道 手に汗握り 今日も霜踏む
4
春霞 遥かに望む 山々の
萌ゆる
(
もゆる
)
命に 我が先を見ゆ
2
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