海に落つ梯子のような光だねひかりは触れられないよ 嘘だよ
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刈り上げた後ろ髪には触れないで鼻にキスする君が好きだよ
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失恋の辛さと速度によく似てる君が弾いてたあのアルペジオ
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「降車時はブザーでお知らせ下さい」が使えりゃいいのに人生にもさ
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路地裏に迷路ができる濃霧こい甲府盆地の山あいの町
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雨粒の一つ一つを数えてる世界中にもこんな僕らが
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花揺れて水面みなもが揺れてぼく揺れて神さまぼくらを風で指揮して
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カレンダーめくりていよいこの年の後期に入りてもコロナのストレス
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雨意の風つのり峰雲刻々とすがた変わりてはやも崩れる
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画面越し 君の香りも体温も言葉にしてよ 伝わらなくても
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君のことずっと見ていた好きだった ほんとは何も知らなかったね
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ウレタンの耳栓をそっと入れたなら凪と静寂 微睡まどろみの貝
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蚊と僕の命が等価であるならばこの血できみが穢れませんよう
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英単語覚えるふりをして逸らす目、七時、電車、stranger
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こんなとこまで剃っちゃってどうするのばかだなあたし 深夜の一時
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夏の夜は 瞼閉じずに 朝を待つ 拙い歌を ちょっぴり詠んで
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詠み耽り日と日のあわいを見失う夜は寂しき詩人の無季語
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ジメジメと続く雨空耐える日々日焼けするほど強く照らして
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シャンプーでアトムの髪型やってみる 100万馬力で晩飯を食う
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役終えた冬服たちを悼む術 ゴミ箱以外の弔い 炎
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湯上がりの頬だけでいい染まるのは夜風で冷めぬ赤は不気味さ
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無果汁のジュースみたいな恋でした 甘い言葉の正体見たり
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見せまいと濁した君の想いなら 濾過はしないで今飲み干すよ
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ささやかな ことだけれども 伝えたい そして笑って ひだまりの君
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終わりゆくラジオ番組の最終回欠けてしまった日々の習慣
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「勝てない」と認めて透き通る空に捧げる炭酸水染み渡る
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梅雨の日の猫の代わりにびしょ濡れてふやけて大きな傘になれたら
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蝉の声溶けたアイスと朝顔と冷やし中華で夏を作ろう
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気まぐれに買った駄菓子のラムネさえ大人の僕にはタイムマシンだ
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ギリギリで 生きていきたいわけではない だってわたしKAT-TUNじゃないし
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