ありあまる言葉を何度数えても 月が幾度かたちを変えても
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野原では摘めない花を携えて緊急脱出ボタンを押した
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見たことのない海に辿りつきたい、たとえば君の爪先のブルー
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傷ついて溢れるものが透明な涙だったら汚れなかった
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靴紐のほどけにくい結び方を教えてあげられなくて、ごめん
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同じだと思っていたこと言えなくて影踏みばかり上手な僕だ
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匿名の眩い夜にふたりきり何処までゆけば帰れただろう
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永遠の波打ち際に君は立つ 夢のかけらは潮騒の音
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アナログな君を銀河の果てに捨つ 地上を離れ暮らせぬ人類
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くそまずいカップ焼きそばに注いだお湯の温度は86度
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かなしみがおかしみになるひょうはくざいねなしぐさつみほろぼしに
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あ、かるいれんあいしたいくらいおもいなんてごめんだひろい宇宙で
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まだこども。 もうおとな。 ねえ、おかあさん。 いったい私は どっちなの?
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スーパーのイートインにてひとりむ ネギトロ巻きと野菜ジュースと
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口中を 過ぎる薫風 氷菓子 透頂香も 頂譲らん
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ニンゲンは柔らかい穴のなり損ない こんにちはホホホ……愛想笑いで
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梅雨明けに 滅入る日陰の 行き止まり 独りぼっちで 揺れる蕺菜
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プリキュアと仮面ライダー、ルパパトで日曜の予定が殆ど終わる
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馬手弓手 かすかに軋む荒縄の 音が教える命の手触り
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扇風機の鼓動をたよりに明日あすを待つ 夜の鏡のように不幸
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手をつなぎ 飛び込む南の海に泳ぐ ウバザメの口は天国の門
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なんとなく生きているけどこの先はどうしたものか誰か教えて
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怒鳴りつけ キツネの顔になる夜に かすかに聞こえるいずこの遠雷
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キツネ目の見知らぬ女がまた一人 すれ違いざま またね と言った
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キツネ目の女が二人居並んで 交差点からこっちを見ている
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俺とよくよく似たヒトが路地裏で 倒れて動かぬ赤黒い沼
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テレビ越しに見る白昼の通り魔犯 見れば俺によくよく似ている
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いずこより 祭り囃子の笛の音を 聞きつ見下ろす誰の亡骸
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誰がどこで ったとからないとかの かき捨てた旅の土産話
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はにかみと嘘の数だけ日が過ぎて 作り笑いに沈む本音と
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