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文化祭準備を終えた午後八時この空はもう二度と見れない
2
笑わない彼女が笑みをこぼすたび僕の心に向日葵が咲く
1
頬の赤あなたのせいとは認めない今も熟れてく日焼けたりんご
1
「界隈じゃちょっとばかし有名なの」ニヒルに笑う鏡の私
0
来た道が失せても泣いたりしないのだ 夢の中では常識だから
0
本文を読み切る前に脚注の数に辟易 生きるは昏い
2
まず名前次に立場の表明を 天使の踠き清く賢く
0
紫陽花や 昨日の誠 今日の嘘 そうです私が正岡子規です
3
跫
(
あしおと
)
も絶叫も凡て溶かしこむ大深度地下のReverb
0
光あれと願うのならばおそらくは光を見ない人生だった
7
「あの日から僕の世界はあなたしかいなかったんだ」 過去形だった
4
情報は儚いもので物質にそっと乗っけて運ぶしかない
3
うぐいすの夏ひきよせる谷渡り 大忙しの恋する季節
3
まどろみの淵から引っぱり上げるのは 楽天カードのクソデカボイス
3
肌色を剥いでも業火に焼かれても混ざりあえない個々は歯痒い
1
「夕方にかけて小雨が降るでしょう」を君が聞き逃してますように
3
足先までつるっと愛されたくなって ドロップ色のペディキュアを塗る
1
今日こそは絶対言おうと決めていて りんごの色したリップを纏う
1
夏服の彼の背中が眩しくて あ、今私、恋に落ちた、
1
「好きだ」って貴方が言ってくれたから私は私を好きになれたの
1
田んぼのリフレクション 雨の絵の具を待つアスファルト
鷺
(
サギ
)
と目が合う
2
目に見えぬ 女にもてぬ 虫や鳥 泣いているから 男の涙
0
なりたいな、あなたが走り出すときに追い風として背を押せるひと
6
「言う」を「いう」 「事」のこと「こと」と書けること そのやさしさで息もできるね
1
またきみは夜中に起きてあの夏になくしたボールをさがしに行った・
8
昨日世界は終わったけど掌と同じ白さで丸めるウガリ
2
全開に蛇口をひねる今日からは汗をかいてもよいものとする
6
使い方も解らぬまま煙る水平線にかざす六分儀
2
箸袋たたむ娘に一抹のアーキタイプが刻まれている
2
後悔の種はだいたい夜更かしで朝日とともに発芽している
6
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