書きとめておかねば消えてゆく常を覚えて記す今日のことのは
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ブロックノイズの果て曼荼羅にある精神のクローク そんなライヴ
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ありふれた色がつま先から溢れ床に広がる赤、白、青、黄
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ヤツが来た アタマが痛いオナカが痛い三十日みそじつ周期のイライラ生産
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あなたにはわかるわけないそうでしょう黙って抱いてくれたらいいのよ
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夏の陽にピンクのワンピース着てあたし溶けゆくいちごアイスクリーム
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だとしてもわたしひとりで雪崩になれるならあなただけを巻き込む
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‪あるものは あるようにせよあらしめよ 我思わなくてもあるものはある‬
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父も子も電車も街も日本も不可逆的に老いてしまった
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板橋の柵にもたれて 缶酒に口をつけつつひとり夜桜
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平成の一番最後のこの夏に日傘デビューを遂に果たした
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「明日土曜 公開するのアンパンマン」 別居の我に連絡は来ず
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「アンパッチ!」短い腕を降り下ろす そうさ きみはねヒーローなんだよ
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網戸越し始発のベルが聴こえてもどこへも行けない君にまたがる
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公園の忘れ去られたおもちゃにもかつての愛しい思い出がある
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腹減って歯の裏側を舐めながら昨日のアンパンの味に溺れる
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染み付いた匂いは風呂屋の洗濯機に捨てていって家に帰ろう
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包装もほどかれぬまま捨てられる言葉に代わり波乱する水
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燕の巣?椋鳥かもな バス停の待合小屋に小鳥が暮らす
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食料も娯楽も文具も100円です 陳列棚に己を並べる
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丹念に身体のなかみを掻き回し入れ替える毎夜ふたりの儀式
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新しき衣をまとい嬉しげな まだ傷もなしスマホケース
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あの時ホームの先に立つのが怖かった私 その先にいる
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君と合うもの?趣味も馬も合わないさ。合うものなんて、目ぐらいかな。
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短歌とはルールで遊び差し出した誰のものでもない言葉たち
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ルールってしたがうものじゃないんだな それで遊べばそれで良いんだ
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言葉ってあやつるものじゃないんだな 自然と湧いてあふれ出るんだ
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いいかげん三十五度の夏なのにこんなだっけとびっくりしてる
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夏の陽に しだれ柳も 目を背け 嫌な気分に 癒しの雲よ
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深海に勇み泳げば 苔の餌 沸き立つ泡で 深呼吸を
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