ずるいよな星の光は残るのに俺等は所詮消し炭なんだぜ
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「あああ。あなた、仕合せは外から?」私もこんな葉書が欲しい
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手を引くな行き着く先はパライソだ お前は行けても俺は行けない
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君だけが私の世界そのもので ただまっすぐにその日を生きてた
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下敷きに手書きで書いた歌詞はさむ 必死で覚えるキミの好きな曲
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もう後に退けぬと喉に巻きつける 銀の鎖と、ブラックコーヒー
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さみしい と血反吐を吐いて書き付けた歌や絵でさえ 空に消えてく
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あなたならわかってくれる、と思ってた 知ってる 僕の見込み違いだ
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居酒屋のナポリタンより赤い目が 生きるつらさをうったえている
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(僕なんかいなきゃいいのに)喉奥で ぐっと飲み込み 「いらっしゃいませ」
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涼しさを、招き入れる虫の声、日曜の夜の寂しさを消す
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新しいキーホルダーと思ってたこいつがいつの間にか相棒
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帰宅時間、車窓に映る、我の顔、 今日一日のエンドロール
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どの面を下げて貴方は僕の目と歌を褒めるの 屈託もなく
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あんなにも虚ろな謝罪を受けるなら 殺してくれた方がましだが
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爆裂に 言葉飛び出る 機関銃 口が上手くてよろしゅうことね
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汗っかき 雫こぼれる とめどなく 早く飲みましょチョコフラッペ
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飛び降りを防止するため国民に翼が配布される日曜
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「来ないで」と隠れて書いたお手紙をもらう六月第三日曜
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先生も 偉い人でも 正体は ただの人間 わかりあえるよ
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深夜2時 テレビに映る 漆黒は 私の心を 映し出してる
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夢見るのに 性別なんか 要らなくて 白馬に乗るは ニュートラルなの
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僕は寝る 死体のように いつの日か 白馬に乗った お姫様ひとがくるまで
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父の日でしばらくぶりに来た息子 父子おやこの会話弾んで止まらず
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自室まで届く家族の笑い声  妙に寂しく響く日もある
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求道者 中途半端な 我が身だが 神は等しく 愛してくださる
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礼拝堂 生花が我に 語りかけ 「おかえりなさい また来てくれたね」
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きみはマメなのでボケて撮りそこねた写真はごみ箱からも消し去る
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葉桜を形見にのこす春惜しみ 雲雀にきそううぐいすの声
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かなしみを 煮詰めた緑の夜の海 全てを脱いで底に行きたい
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