「あと5分」 そういう時間は思惑に沿って思惑以上に早く
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日も過ぎて 面影、想い、遠ざかる 慣れたこの頃 夢に出るきみ
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筆動き線引くことで文字生まれただの線とてひとをうごかす
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夏の月せめて檸檬の香りせよ醒めない街の夢にあるなら
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夕立にコンクリートと雨かほり色のくすんだ庭の紫陽花
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したいのはしてはいけないことばかり 何がしたいかわからないので
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約束を守るためならなんにでもなると誓ったわたしはガメラ
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心臓はあと型真っ赤な楽器が鳴り響く目前の君にばれやしないか
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さようなら揚げたポテトとかりんとうアクリルアミドたまには食べるか
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月の宵ひかりをかへす白き桔梗かげはしづかに韻を踏み立つ
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星あまた降りつむ夜にいにしへの歌人うたびとたちの見し月の舟
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彷徨ひて闇のみそらを仰ぎみる青のかけらの吐息のこして
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「地獄に堕ちろ!」散々わめいた君は恥ずかしまぎれに付け足す「うぇい」
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「新しい住所は教えられません」 面会交流 元妻が告ぐ
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スマホから少し離れて過ごしましょう疲れちゃった車を洗おう
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暑すぎてアツになったと痴れ言を ファッキンホットの切片とする
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朝の四時目覚めすぐさま思うこと あなたも起きているのだろうか
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祈るよう青の隙間を割いた痕 キャンバスはまた拡張される
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明日休みだけど何にも用事がないだからおそらく一日動画見る
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海溝に沈んだ山の切れ端を はらむ八州やしま古き儚さ
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眼下には人混み 時を止めるべく身体を世界に投げ込んでいく
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常闇に沈んだ廊下 外界と繋がりを絶って出来た鳥籠
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うたかたに文字禍X S Sは起きずふるいには紅玉のみがつややかに見ゆ
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降るほどに星の鼓動を近く聴くふたつの生死あはひ揺れつつ
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忘らるる夢のかけらは海溝の闇の御空に 白く舞ひ降る
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テロリストの恋人の死を悲しめるひとがはじめに石を投げなさい
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保守だか リベラルだか知らないが どうせあなたも 自由主義者だ
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蓮っ葉はえへんぷーいとそり返りポリアンナ達はかけだしてゆく
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約束をいつのまにか忘れてく あの子もきみもそうだった
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二回目の洗濯まわす 扇風機まわる七月二十一日
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