初めから綺麗な人形死体になれたなら 毒林檎など食べずに済んだ
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赤い屋根足拭きマットのある家に 忍び込んだが出るに出れない
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アトリエの塑像に影を落とすのはもうはじめから完璧な月
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物心ついたあわいも探してた 此の身を懸ける価値ある何か
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久里浜で迎えた鉄道部品きみを抱きしめる 随分と軽くなってしまったね
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吹く前にキャンドルすん、と消えたので 尖ったままの僕の唇
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何食わぬ顔で過ぎゆく平日の曇りのひとりの誕生日好き
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「おめでとう」が日本時間でも届くから じんわり長め誕生日
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初デートの待ち合わせみたいに 出会うつもりだったのに町ピアノ
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白き楕円 はらの中にて 苦しさを 抱えきれず 水に流れ出る
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秋黄金あきこがね掻き回し去る風の神招かざる者迎えぬ術無し
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あの人はあんなに上手く泳げてる 僕はここでは息もできない
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テレビから 自分の名前 呼ばれたら わかっていても 反応しちゃう
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休みなら永遠に本読んでたい よければハグも時々しよう
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世の中のあまねくすべての幸いを 体現したような稚い君
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列島の南に近づく台風に北の外れで影響受ける
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君のせい 君のおかげと忙しい これが恋なら 早く助けて
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作文の題材にしかならない姉について 死んだ目をして笑う
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砂浜の 落書きは波に 葬られ 我が恋心も かき消していく
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コズミック・ラブ世界の トキメキはきっと私の恋がはじまり
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階下から息子きみの咳き込む音響く 大人いくつになっても心配尽きぬ
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心のね奥で何時いつでも想ってる 静かに繋がる君との約束
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すぐそこに秋がきていると蝉達が静かに鳴いて知らせる夕暮れ
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着ぐるみであなたをぎゅっと抱きしめたい 老若男女誰でもどーぞ
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家事終えて刺し子しながら口ずさむ ようやく戻る落ち着いた夜
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狭い道車が通るわれは待つ車内からはありがとうの声
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側道を杖つき歩くスピード高齢にあらずアスリート??
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窓たたくあまおと 心のあめざいく きらきらひかってばらばらおちる
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神もなく 仏もいない 人生に どんな理由が 見出せようか
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悲しみや 重荷を背負う 子供らを 神は天から 熱く見守る
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