90字 書きかけの手紙 その様は まるであの夏の ぼくときみのよう
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君もロボならこれは シンクロニシティだね 乾いた口調で出力る君
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お悔やみに線香送りし浅い知人 そののちに知るクリスチャンだと
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診てくれる医者が薬があることを普通に感じる今が尊い  
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予定とか特にないけど紅をさす 起動を示す電源ランプ
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帰宅して忘れぬうちに復習す 学生時分の私に見せたい
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新しき学び得るのは嬉しいこと たとえ仕事の一つとしても
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やめてくれ それお土産で買ったやつ 物産展で売らないでくれ
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年上の料理上手なあの人に倣って「五分、オーブンでブン」
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もったいない風と光よ昼過ぎの洗濯物に刺さる乾燥
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社長から差し入れいつも揚げパンでおいしいけれど砂糖まみれで
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春を告げパステル色の蝶が舞う  花瓶で揺れるスイトピーたち
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お月さま てくてく歩いて 帰るよ、と 二歳の瞳 何を映すや
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風呂上がりグズる赤子に服を着せ 肌着が逆だオムツも逆だ
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海の見える施設に入るといふ ひまわり色の風見える部屋
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プリキュアになりたい夢がケーキ屋に 春の近づくほんのひと足
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押し花を挟んでおいて忘れ去り たまに本ひらき「あら」と嬉しき
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鼻チューはやさしく撫でてあげましょう ねこのねこなりの愛情表現
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CAさん。 昭和の母は スチュワーデス 聞きとる吾子は 「ちゅっちゅおでっさん」 / 連呼せどなんのことだがわからずに…😅
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穴二つ 人を呪わばあるという そもそもここは穴の底だが
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僕のこと「優しいね」って言うけれどそれは錯覚、ほらひねくれてる
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終わり これがあるから 好きになれる 永遠なんて とんだたわごと
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数学は かんぺきだから なんか嫌 だめだめだから 愛しいぞポエム
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「世界」なら小さい「地球」はデカすぎる デカい デカすぎ 今日も眠れん
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耳すませ雪の聲ききあるく朝今だけの空目で抱きしめて
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朝焼けも月も美し夜明け時 心に納め今日を始める
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気に留めぬほんの些細な出来事が夢の中では破茶滅茶ドラマ
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煮豆かな納豆も有り福茶でも年の数だけ食す為には
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青空の この澄み渡る空気吸い くろい心が治れと願う
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ひだまりの 温もりの中 サングラス 日光浴する 父を想って
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