自動ドア くぐりしあとに 濡れ裾の 雫残りて かかと滑らす
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ひだまりをこわがるだれかがひまわりを太陽のようだと言っていたね
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目に青い一面の田は水落とし 農夫黙々炎天下の午後
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自らの名が呼ばれるを聞くたびに命のかたちを与えられてる
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花と二人だけの世界に生きている働き蜂だった頃の話
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ありなさすぎて今思ってもたじろぎそうに心に映り忘れられない
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まっすぐに自分のことを話してくれてもっとたくさんきいてたかった
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餌くわえ親鳥ちょこんと休憩す我が家のベランダ ゆっくりしてって
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在宅の合間に料理仕込むのよベーコン焼けたオーブン告げる
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あたらちい おつめとぎだよ うれしいな ねこのほんのう バリバリバリバリ
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薄力粉 詰め替え見るたび このところ なんにもお菓子焼いてないなと
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木々たちは雨に光って妖精に風にざわめき妖怪になる
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短歌詠む 才能ないのに また詠む この短歌自体 才能ない証
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無かったね残念だったね自分へと同じため息付く人へにも /歌壇の朝に
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古希すぎてかど取れ丸くなり損ねトゲトゲつののウイルスに似て
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推しメンのワンマンライブがある街へオッカケのつま付帯するつま
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遅延にて 見知らぬ一駅 歩いてみる 詩的な期待も 日差しで消沈
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思春期の娘か父をとほざけて寝起きのわるい下は四歳
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独身の友の誘いは悪魔的ことわってする妄想は無料ただ
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朝一の事務所はいれば正体がつぎつぎばれる白衣作業者
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若者が 切々と詠む 平和の詩 目を閉じ思ふ に出来ること/ 沖縄慰霊の日
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かきこもり日射しも見えでほどふればいとどこの世を卯花腐うのはなくたし
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穴空きしスニーカー「まだ履ける」息子キミが言う 「ごめん」の代わりに 頭わしわし
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来た道と これからの道 長々と 普通選挙 今日で百年
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禁酒して脳がきれいになったなら魔法が切れてここは地獄か
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日々起こる身体の不調見つけてはストレスのせいならいいのに、と
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顔を伏せ手を握りしめ眠る人夢の中でも休めないのか
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毎日が明日の準備に使われる生まれた日から決まってた今日
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呼び方を変えることから始めよう 例:低気圧から地獄 とか。
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爆音で 駅のホームに響き出す いつかのアラーム 忘れた頃に
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