心拍の残量、人ごと定まりて 打てば減るらむ定命の者
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拍動を上げれば冷えた現実の接触面はほんのりとする
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また来たる、いま。とらへてや。そらしてや。あさがほの紫紺、身に沁むばかり
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飴色の貴方のピースを揃えては孔の空いてて秋ぞら青く
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朧月 ぼんやり光る 夜のはじめ どうか足元照らしておくれ
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晋作の言葉がずっと響いてる。面白くなるのはそうするからだと。
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寓居にて宮司はつまむ群生す茱萸ぐみの樹に生る紅蓮のしずく
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このつぎの つきめいにちは さんしゅう忌 お彼岸パスし ジィジわらうか
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朝から鮭を焼くような丁寧な暮らしを夢に菓子パンを食う
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平和にもチャンスをくれと言い続け四半世紀を生き延びている
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まだ空は明るいよまだ遊べるよ子どもみたいだねってあなたが
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掃き掃除 ご近所さんも ご一緒に 綺麗にしなきゃ お彼岸だもの
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平凡な 一日いちにちだった と思える ような一日いちにち  だったらいいな
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コロナ癒え敬老祝うファミレスで味覚障害の現実を知る
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ファミレスの窓越しに見ゆる渋滞に連休の夢膨らんでいて
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いと息子キミと海をバックに写真撮る マスクを取って笑ってくれた
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赤玉のスイートワインとウェルチグレープ 童話の「ブドウのお酒」になるらし
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神よし日 名前よきかな 初耳だ 近くの神社にもお礼行こうか
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ハロウィンのお菓子買い込み 秋のお茶 各所お礼やら送る準備を
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砂浜に打ち上げられた貝殻を 手でサラサラと砂時計のよう
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砂浜に心地よい風髪も揺れ 9月も残りあとわずかとなり
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強烈な匂いと共に咲き乱れこれでは星にも届いてしまうな
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血と体温持たぬAIニュース聴き音は声にはなれぬと思う
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過ぎ行けば 何故か懐かし 暑き日々 耳の奥には 蝉の声 夏
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生活の責任を取る練習する ロースとひれはどっちがジューシー?
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HEPとか たまに行くのに地図ガン見 こうべっこのまま 大阪馴染めず
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恋みどろ 髪舞う度に 香る花 小さな肩と 小さな別れ
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花にらを屋根に咲かせて住む人の朝餉の膳の目玉焼きかな
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片想い きみが好きだ、きらいだ、ぜんぶが嘘だったらどうしよう
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かの暑さ 秋分迎えて 払いたる されど来るは 冬の予感か
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