息子んソファでひとり短歌うたを詠む スースー嫁の可愛ゆき寝息
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吸い殻にちょっぴり長いのを見つけてあなたはこういうタイプだったね
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蝉しぐれ 降りしきるかな 夕暮れに な つ季節と己の 終わり報せて
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ちゃんこ鍋食わせてやるよと言いながら緑と赤とピンクのゼリー
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あの空にウインクひとつしてみたの 父さんわたし元気でいます
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「次」なんて もうないんだよ私達 物理の授業 今日で最後
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胃が痛い されど悔いなし 昨晩の 焼き肉うまし たまの贅沢
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無意識に 鼻歌が出る そんな日は 機嫌とれてる かかれエンジン
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ついを定め訪ねるあの場所へ帰って来たよ十五の私
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空腹が心地良いときだってある 浅い水たまりにつくる波面
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打ち抜いた。街の彩度が高すぎて、 太陽のことを静かにそっと。
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大嵐ガタガタ唸るガラス窓真っ暗闇に不安が募る
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「気を付けて」そうは言っても気付けない詐欺の手口は巧妙すぎて
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独りにはなりたくなくて部屋のドア開けっぱなしの気まぐれ 初秋
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僕達は平行ではなく離れゆくあの日は確かに交わっていた
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連帯もなくてひとりの膚を抱く わが同一性を照らす雲雲
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バウムクーヘンはじっこ噛みぬ 夏暦忘れんときに驟雨来たりて 
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オモチャ売るためのアニメと蔑むな止むに止まれぬ大人の事情
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「ほんとうに会いたい人には簡単に会えないものよ」また年をとる
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なんでなん? なんで無茶振りやらかした? やしきたかじん 『砂の十字架』/たかじんさんは何も悪くない!
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悩みごと悲しいこともないはずが秋めく景色胸が切なく
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いごこちの よさにこだわるの ねこだから ほんとにすきな ものがいちばん
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去年きょねんから 一日一首いちにちいっしゅ 一年後いちねんご つづけた今日きょうは 短歌記念日たんかきねんび
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抱き枕欲しがる伯母のわがままは 誰をも知らぬ孤独の化身  
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百七の歳を重ねし伯母の眼に 時々映る遠くの景色
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子供って親を選んで生まれると 読んだ瞬間涙が溢れた
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長男きみからの「泊まりに来ない?」LINE来る 鼻歌まじりで準備進める
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台風の胸痛ませる天気図の 赤色の下いる人思ふ
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通せんぼした秋茜追い越して まだ夏の中生きてる私
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雨や風打ちつけられし木の間からひそかに実る青胡桃かな
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