ワイシャツの シワに気付いて 考える あなたのくまに名前はあるのか
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海沿いに拡がる畑は秋盛り玉ねぎ・カボチャ・馬鈴薯いも・デントコーン
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海がまた 赤から青に なる前に 急いでシロクマに会いに行く
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いまここが せかいのちゅうしん れきしじょう さいせんたん。 わたしとゆう現象
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しらけたるラテアートに泛ぶアヒル「資本」飼ひならされてつかの間
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名前と左手だけ置いていったどこまでもどこまでも酷いやつ
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就業中終業後の計画練る あれ?なんだっけ 死因:忙殺
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いつの日か 希望から絶望 変わり果て 失ってから 気付くものあり
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我が妻を 支えて病院 向かう日の 神経痛よ 悩ましきかな
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雪風が冷やした硬めのゆで卵 サラダの黄色はあなたの色よ
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ニコチンを吐くたび失せる生きる意味 多分吸われてる蛍光灯に
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敷布団一つで足りる私たち八本足の生き物みたいね
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吐き出した煙の中に今日の靄 等価交換肺の黒ずみ
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始まりも 終わりも君は ただ時を 遠くを見てた 寂しい顔で
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ビネガーを混ぜる夢見て起きた朝 今日は花でも買いに行こうか
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具合わるく 横になる母 ねこたちが たびたび様子を見に来てかわいい
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教養も 綺麗な顔も 心無く 機械のような 冷血女
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ご褒美は いつ食べようか 明日?明後日? 来週末かな もう売ってないかも
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儒教とは 宗教心の 欠如した 社会科学の 押し付け授業
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利己心が 人の心を 狭めれば 愛は感じぬ ああ不感症
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日本人 堅物ばかり ロボットが ただ動くだけ 心失くして
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あと少し やりたいことを 極めれば ノーベル賞が 手に届くかも
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定年後 同業他社に 移るのは 罪だと謳う 彼女は社畜
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透明な空気の満ちた宵闇に踏切閉まる音だけ響く
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通り雨仰げば太陽に照り映えて 大切な荷物抱えて走る
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四年ぶり友と再会するも雨 手をとりあって駅へと走る
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すみません、報酬系が壊れたみたい ネジを回せば治るんでしょうか?
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パーティーに 着ていく服に 悩みつつ ついでとばかり 服の断捨離
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捨てられる ものをなんでも 捨てされば 身軽になって 自由になれる
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ききたくて ききたくないこと ひとつある わたしのおしは ひがいしゃなのか
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