不具合な私の手を取り君が言う指先だけでもワルツは踊れる
7
自治体に聞けば教えてくれますか?正しい恋の処分の仕方
17
羽ばたいて羽たたんでは宙滑る落ちぬものだと思う飛び方
9
雨降りの桜の下の看板の「さくら薬局」の文字が濡れてる
14
「なんとなく、愛国。みんなで売ろう兵隊を君がその兵だけれども」
2
忙しく貧しく物思はざる他者の恥を快く愉しむは たれ
2
柔らかな日差しに冬は溶かされて殺されたのに誰も気にしない?
6
ぼんぼりのような桜の枝拾い濡れた道路に一人立つ、雨
8
雪囲い要らなかったな、クロッカス踏んづけぬようそろそろほごし
8
一歳の君とキリンを見た今日が 君の心に残れば幸せ
15
夕暮れに子どもの服から一枚の 花びらひらり持ち帰る春
19
サクラサク 知らせの陰の 助演賞 紅い椿も あちこちで咲く
15
いつの日か疲れてあゆみをとめたとて振りかえり見れば七色の道
9
スタミナの定義いろいろあるだらう玉ねぎのったラーメンを食む
9
チューリップの傘をさします春の雨 私は今日もうろうろ買い出し
10
お嬢様 旅立つ時は神戸から 選んでくれたとせめて思いたい
8
飽きもせず 桜並木のおにごっこ 毎日キミと遊び呆ける
12
大雨ゆえ「その辺ランチ」は飛び込みで ようやく母が「コーヒー飲みたい」と
8
新しき出会いに開かれる扉 どんな景色も見届ける覚悟
11
歌舞伎町 ネオンが照らす 夜桜の 血潮の花びら 路上に散って
7
新年度!さあ張り切っていきましょう! 上着が見つからなくて、ブチギレ
8
あたらしくおろした服をいちばんに見せたい人と約束をした
13
水墨のような山あい 咲く花の 夢幻の如し 白き春雨 
12
あと一回、やっと終わると信じてた。ほんとはまだまだ振り出しでした。
5
しまい忘れ古い日付のパンを買うミスも芽生える春うららかさ
10
恋なんて知らずにいてよ僕たちはずっと友だち指輪もあげる
4
黄色の爪 人恋しいが恋知らずこのままずっと一人なのかな
5
スッキリと しない天気と わが心 水の代わりに 炭酸を飲む
12
イベントの ない春を過ごす ゆっくりと 前のめりの 影を背負いて
29
雨降りの 予報を聞いても 散歩出て 雨雲と吾 家まで競争
11