ひしめきて揺るる文字列みえて来て不可解なる風吹きそむる章
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なきことを想ひ追ひかけ繰りかへす主役不在の無言劇にて
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努力ができないなら死になさいよと 全世界の美人に言われる
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死んでゆくあなたの過去のことよりも 死に急ぐ今がよっぽど大事
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人口比興味の数と思い知る文字の大河に叫び流れて
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覆水は盆には返らないけれどまた雨水を貯めればいいよ
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打ち上げて花よひらけとぱっと散り届かぬ想いとしょっぱい綿飴
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純白の百合の花で飾られて死にゆくなんて僕の花嫁
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「もう時間」僕らはこうして別れたんだ互いに笑って「じゃあまたね」って
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今日の雨天の川へと流し込むそういう装置あったらいいな
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誰のせい?それはあれだ、夏のせい。草に横たう女の肢体
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血の垂れる利鎌とがまのような月のせいで 握るナイフに力がこもる
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若衆わかしゅには狼が憑く道っぱた 村さの夜の儀礼だんべや
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ムラついた狼男のその気持ち 全なる月見りゃ俺にも分かる
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尻のような満月のせいで心臓に狼宿る夏のあぜ道
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善悪のあいまいさこそ耐えきれず放棄する日を悪魔は狙う
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声殺し君がうなずく姿見て 満足したとシーツに沈む
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黄昏たそがれに手を振ってくる 目を細め尋ねたる声 それは「かれ
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日が沈み あなたがいないこの道に未練はないと 毒飲み干して
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ひぐらしが雲指差し叫ぶよう 秋刀魚さんまの形のあれは秋雲
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恋人がリアリストなのでわたくしは薔薇の花の花言葉教える
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集められ 切られ 生けられ 捨てられる かわいいかわいい この花の名は
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きみが語ることはなんでも楽しそう海の家で出るカツカレーとか
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溶け残る氷を噛んだ かき氷作るやつどこにしまったっけ?
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雨水を引っかけて去るタクシーに呪いあれ 今夜眠れなくなれ
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陸路閉じ まだらに消えた店先たなさきに ごめんなさいが佇んでいる
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知る道も知らない道も閉ざされて 抉る川辺はカフェオレのよう
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カーテンの裏側ちいさな目があって夢かと思ったら、夢だった
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小学生一人がいなくなったぶん わたしの体重減ればいいのに
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気がつくと もはや夕方 陽も暮れて 僕の気分も沈んでいくの
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