売り切れのあかいランプがきらめいた夏の雨の日ジャワティ無糖
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若い嫁 汗ぬぐわずにかじりつく 西瓜の出荷10分休憩
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この部屋を出る日が来るのほんとうに いつか読む本 効かない冷房
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人生が200個あっても足りない!と 君が飛び散るビル12階
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両親に挨拶だってまだなのに 老後の資金を貯め始める君
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これ以上きみを忘れるくらいなら ぼくはきみの訃報がききたい
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毒でした 遅効性のぼくたちは、喜んでそれを吸っていたのか
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月並みのルービックキューブ手遊てすさびに 六面不一の真新しさは
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‪10年以上前に無理して買った花柄のシャツが今年はピッタリくる。‬
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乾涸びたセミの死体を踏みつぶし 夏に浮かれて熱に浮かされ
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目を閉じて子宮をそっと撫でてみる 熟した梨の味をおもって
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唇に薄いガラスをあてがって 過ぎゆくときに抵抗してみる
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お父さんも知らなかっただけなのよ 花の水遣り、子の育て方
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このゲームは全年齢が対象です ただ死という終わりに向かって
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じっとりと濡れるからだに重なる手 このままふたりで乾いて死にたい
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ひとの影ひとの声とを追ひてゐる化身のごとくある水芭蕉
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Que será, seráケ セ ラ セ ラ 「なるがままに」と夏色の広い虚空を見つめて思ふ
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「そんなんじゃ、社会で生きていけないよ」…そんな言葉に根拠はないよ
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くりかへしよみていまだによめぬまま海にしずめる青をみつむる
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いくどよみいくどこころをとざししや青の深さをしらざりぬるゆゑ
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さびしさをしるこころにはかなわぬとしりてふたたび海の青よむ
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「感触が鶏肉みたい」大笑い。ナイフに伝わる命の手触り
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夏草を踏みしめあなた に会いにいったの 裸足のままで 夜露も厭わず
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知ってる? 短歌くらいのかりそめの 間だったけど 好き合ってたよ
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明け方に 夢が途切れて 泣きくれる あなたがよるに 連れてかれたから
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O 2にひとつのCを付け足して 吐息にぼくは削り出される
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ビルの角赤い光の拍動が生きる希望の存在証明
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漫才がくだらないと思ってさ何かおもろいことはないかな
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不審者の情報はオレと一致せずまだ大丈夫春はこれから
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明日のことも分からぬうちに過ぎてゆく この生活をつくっていく日々
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