あの人の 顔がうろ覚えな気がした 横顔だけを よく覚えてる
5
「短歌には 性格が出る」 そう聞いた。 私は短歌うたでも だらしないかも。
5
勉強中 ココア飲みつつ思い出す。 昨日の夕方 誓った減量。
8
引きずられ差し出した手も振りほどき施設へ義母は 名月の夜に
18
しばらくは虚しさだけが残るだろう 誰もアンタに期待してない
4
「人間を断捨離するのにはまってて」そう言う君を俺は捨離るね
21
低くとび 実りの秋を待つ鳥が そろそろかねと 案山子かかしに尋ね
17
缶詰の日は延々と食べている さながら猫用ビュッフェのようで
10
あの頃は 君と歩いた 並木道 今も歩幅は一定のまま
10
四十路すぎ 人となりとは顔に出る 他人ひとの顔見て我がふり直す
7
うつくしい星に住むにはうつくしい肺と心が必要なのです
6
傷つけた 傷つけられた それだけだ それ以上でもそれ以下でもなく
7
日の入りが、早くなったね 雲に残る ピンクの夕映え あしたをおもう
13
人の山 お礼参りも ひと苦労 パワースポットの名、伊達じゃない
4
神無月 迎えてもなお 残暑あり 地球沸騰 現状を知る
5
ひとつだけ ピアノの音と歌声に 浮かびくる ロックはいつも 心の中に
3
メロディーがゆるりゆるりとほどけきり静寂しじま満ちたりさきオルゴールにより
10
その地にはネフィリムがゐた 墜とされて打ち滅ぼされわたし堕天使
1
何もかも 消して終わりにできぬから 消えるしかない どうせひとりだ
11
悪魔崇拝せしクリスチャン天使崇拝せし悪魔を笑ふ
2
未来キミ見たい 想う自分と 消えたいと 思うふたりが シーソーしてる
7
秋雨よ 汚ないこころ 頬の露 ともに流してくれぬだろうか
10
躓きてドアポケットがレグホンの白色鶏卵皆砕きをり
6
見返りを求めないのが子育てで 良く頑張った自分をめよう
14
向かい風 負荷をかけるな 老いた母 結界張りたや 偽陰陽師にせおんみょうじ
8
母の味真似たくレシピ尋ねれど「適当」と返され叶わぬ再現
11
はてしなく分岐はつづきそのなかのひとつの線をぼくらは歩む
10
本当の言葉はきっと優秀なファイアーウォールで弾かれて終わり
3
やることはあるんだ カフェで紅茶とか 部屋に足の踏み場作るとか
7
お昼兼おやつでトーストお代わりし カフェオレ淹れてコーヒーの日を
6