ふるさとの墨絵のような雪景色 何もなければ愛せたろうか
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なにものも側になどない方がいい 独りがいいさ 身軽がいいさ
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ふるさとはそんなにすてきなものなのかい? 親に殺されかけてもかい?
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あなたには何があろうとついていく そう決めたのです 隙間すきまかげ
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電撃が走りて頬を染めてゆく そうかあれは『デート』だったな
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ばるぼらよヴェルレーヌの詩忘れたか死してなお今旋律此処に
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あの夜の二人の秘密を暴くため シャネルの5番で合コンに行く
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アイディアが浮かばぬ人と浮かぶ人 我は後者で短歌腐らす
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ばるぼらは私に言った、「返してよ」。借りた五万かお前の心か?
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祖母の声 途絶えし時より 幾百日 時計の針は じっと動かず
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何もかも判らぬまま三十路
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*風に乗り途切れ途切れに聞こえたは「聖者が街にやってくる
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マロニエの樹の偽りを憶えるよマカロンの癖はやや見抜けたのに
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憶えしな品々借りて御前死す次から次へ資本流れど
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春雨の秋の前線省みん移ろいゆくは只の我のみ
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夜来いの恋だけ味わう缶ビール京都四条枝豆揺れる
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ワシーレフ弓の数だけ敵堕とす彼ナポレオン蜂の如くに
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ばるぼらの薔薇の花束美しき夢の中にて御前と踊らん
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口裂けぬスライスチーズの感触やあな酔いどれし天使の数々
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音楽はロックがいいと言う君は瞳がキラリ輝いていて
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僕たちは属する場所を持ってない 持ってないんだ 寂しいけれど
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ケフナラバスコシハタヘラレソウカナアイキテイルノモタイヘンダナア
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東京へ飛び立つひとのまなじりを追っては沈む夜の浦和へ
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泡沫Utakataで出逢いたかった スマホから一瞬だけどつながりたかった
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つまらない だから捨てるね そう言って 今日も私は 生活に出る
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春桜 思いに乗せて 旅立つは 我が弟子たちの 門出祝うもの
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わざと笑いわざと恥じては君誘う他虐が僕をリアルから逃がす
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死んだ目で「論理的に」職語る貴殿方を憐れんだ俺ももういない
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目眩する絶望渦中君のこと思い出す度くる天国と地獄
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透き通る青天にさえ気がつかず群れに加わる新宿西口
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