夜中二時 骨砕く音で目が覚める 苦しさよりも痛み噛みしむ
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テレ︵遠隔︶診療 お医者でなくて AI診察 本人よりも 適切だったり
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残る陽に汗流るるもシャワーでは心許なく秋深まりぬ
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早霜に道は閉ぢたる奥山の嵐を分けてわたるかりがね
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鼻抜ける 煙草と珈琲 燻されて 大人になった 気がしてる朝
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中秋の 満月ひとつ 浮かぶ夜 地球テラの月明かり 我が苦きを薄めて
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駅裏の ジャムとバターのモーニング 透明な朝 猫じゃらし振る
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秋晴れや信号待ちの隣人は口紅を塗る月曜の朝
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知った顔夢かうつつか出くわしてしばし微睡む心の旅路
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潮騒の静寂しじまに揺れる夜の風ゆらりふわりとどこか遠くへ
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晴れの朝 祖父にもらいし 我が名前 ほがらかでいる 青空に誓う
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むかつくよ低学歴の俺でさえ芸能人の文化人ヅラ
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山々の色うつりしの便りきて 麓にいつつ 山頂を知る
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蛇は耳が聞こえない だから彼も私の声が聞こえていない
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あと少し ともに生きよう 産まれくる 君に伝える 「ありがとう」って
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産院の扉くぐって来た子らが焼き場の重いドアから帰る
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芸能人覚えるために生きているわけじゃないってテレビを消した
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闇深く 夜明けも遠き午前2時 朝起きられたら美容院行く
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米びつの横の棚にぞ押し入りて お茶とちま猫、ハロウィンギフト>並んでる(笑)
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涙って頬に触れるとあたたかい雨粒よりも心に近い
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うるさくて眠れないから隣室に言うか言わぬかメイクしんどい
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手が届くように大きな月の夜初めて母に「お前」と言った
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一ページめくっていくたびあの時のやりきれなさが輪郭をもつ
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よじすぎに ろくじのたそがれ やってきて ああっとかいってる じゅうがつついたち
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秋茄子をななめに切った同じ刃を首元にあて虫のを聞く
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ユーチューブコメント欄に返事ありファンレターとも同じ高まり
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おつかいの使いが荒い留守番の気づかい固い期待でみちる
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見出し語が「やっぱり9月も暑かった」 名言みたいに言わないで欲しい
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今日もまた生きていきたい「おはよう」とVtuberにコメントする
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巧まざる七七を聴くデモの中「生活保護はみんなのものだ」
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