鼻詰まり それに加えて 行き詰まり 手も足も出ず 為されるままに
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この箱をひっくり返してしまいたい学園ものってこういうことか
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本年も私がサンダル買う前にアパレルは秋物に変わった
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旅先で着なかった服ひと払いしてから袖を通して出勤
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東方に逸る奇想をバラすには223 八百万bitごときでは足りず
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合掌もしない子孫に助け舟感謝と心苦しさ黄泉へ
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薄闇の地下駐車場 サラサラと 老警備員の自転車がゆく
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星海夜 天を仰ぎて 我を見る 輝かざりし おのせい恥ず
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青と赤混じり合ってく空仰ぐ まだ夜なのかもう朝なのか
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小手先の技術で魅せる フライパン皿乗せ返し円盤餃子
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「頑張れ」と机に向かう子背中見てエアー素振りで眠気を飛ばす
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お隣のご主人の焼くバーベキュー 子らは遊びに肉そっちのけ
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前足を伸ばしてねむる猫の顔 満足そうに何を捕らえた?
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笑うとね いつもつり目になるあなた その面積に住めたらいいのに
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きみの横 ずっと居たいと願っても それは叶わぬ 叶わぬ願い
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あくびする猫のおおきく開いた口 指を差し入れ噛まれたくなる
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「大丈夫?」って聞かれたら「大丈夫」って笑って言うしかないじゃんか
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西日差す 新大阪のホームにて 長き別れの 予感抱きて 
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エメラルド色の湖面を石切りのように撫でゆく風の寂寥
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生理ないそれしか繋ぎ止められぬあざとさ狡さ甘えを責める
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汗かいたグラスの中の氷にもカタリ気を抜く反骨心が
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もう二度と振り向かないならせめてその理由は泣けることがよかった
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青東風あおごちと 従兄の苦言 耳刺さり 我省みる 多し半生
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覇気がない 従兄指摘す 我が人世ひとよ 耳に刺さりし 真夏の横風
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すいすいと秋のさきぶれ赤とんぼ サーファー真似て乗る青田波
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生命といえばぬるんだ溜池が濁っていくのも生命のせい
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焼き鳥に焼き払われたお母さん 仕方ないです 仕方ないです
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レントゲン義母の肺には白き花いつか茂って義母を覆うか
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「あ」と言えば 一文字分だけ訪れる静寂さみし ひとり寝の夜
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愛されず手放されたと思い病み後に気づいた主語の転倒
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