妻子留守刺身日本酒 つかの間の一人宴だ急げや急げ
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白衣着てマスク帽子のウェイター モツ定すぐ出る工場方式
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前奏がポップで軽く嵐かと 校歌斉唱空に煌めく
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智慧語る 君の言葉が まことなら 正義感など 我道になし
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指置くと グノシエンヌの 淀みから 生への怠惰が とどめられない
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まだ眠い朝焼けの部屋君からのメール開けるとあ、月の匂い
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尻の中 一面に見えるひらかたパーク 枚方凄すぎ! まあ知らんけど
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口づけはあなたのかさぶた塞ぐまで遠雷のような恋をしていた
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陽炎を越えると秘密の入口が……あるはずもなく道は続いた
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白か黒か選べぬのなら 桃色の道を歩こう 君と一緒に
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ちいさな手 君が遺した朝顔は 夜を知らない星になるから
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休日だぁ ドライブに行く 気力さえ 残ってなかった コロナ禍の盆
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ときめきはまやかしですか平熱の恋でも信じてみていいですか
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五十円玉が欲しいと 三十円手渡されるよな 理不尽な恋
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三日坊主も万年ならば何かしら 何かにならぬかしら四十五しじゅうご
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透明なハートが赤く色づきて 今日を一日 愉快に過ごそう
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昨夜の情事こと 断ち切るように爪を切る パチンパチンと深爪をする
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ずるい骨 珊瑚のように軽く白く 最期まであなたは美しかった
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周りから祝福されるだけの彼ひと  私だけの、を探してるのに
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窓ガラスが割れて輝き出すようにあの子は泣いた なんかよかった・
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その次の一手をいつも巡らせる オセロみたいな恋は終わりね
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進もうか きびすの先は 前後まえうしろ 歳の数だけ たおやかであれ
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プランター後片付けはいつも俺 胡瓜の棘が小指に刺さる
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天気雨 拓郎の歌流れる日 言葉の雨も降り注ぐ晴れ
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八月の風に吹かれてボブ・ディラン 八月の満月スタージョンムーン雲に隠れて
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扇風機懐中電灯組み合わせ 明かりを消すと灯台と化す
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カーテンにアンパンマンの絵を貼って 風になびいて飛んでるように
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「愚行権」とはいうけれど完全な愚行は案外珍しい件
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焦がるれば積乱雲はただならぬ熱量をもて天に昇りぬ
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津波から逃げてる人の動画見て「逃げて」と願う十一年後も
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