宝物をデジタル化する手触りを失くしてもなお咲き誇る花
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秋晴れに藁を素早く束ね積む米寿間近の野太き義兄あにの手
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あと5分!(4分‥以下略)1分ごとに言い聞かす ゴハンの前の「ニャーン」にお返事
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きれいねと言えるくらいの雪ならば私も好きって言ってみたいな
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近頃はいつもの手順に穴が空く 口紅忘れリンス忘れ
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介護士を目指す異国のの手から言葉を超える真心伝ふ
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彩度が落ちた街には 未だ色付いたイチョウ 明日は初雪予報
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色のない街にかくれてあなたからそっと誓いのキスをくれたね
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あの暑い夏を過ごして来た秋は止まることなく冬を置き去り
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顔知らぬ誰かの秋のおすそ分け 砂場に並んだ松ぼっくりたち
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公園で初めて会う子と遊びだし 2歳の成長感じる秋の日
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雨の日は ねこたちもなんだか気怠そう 頭寄せ合い ふたりでスヤスヤ
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インフルも流行っているのに 消毒液アルコール 順次撤去と いいんだろうか?
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夜明け前 送電線で囲われた藍色の中に神様を見た
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ご機嫌に 奏でるギター旋律が 見知らぬ愛の傷の癒しに  
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ブギウギのあちこちにふと蘭ちゃんを感じて胸が熱くなる世代
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大先祖 うみでうまれた いきものさ あきさめ降れば てんまでのぼる
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西の果て 沈む夕陽の 優しさは この世の全て 包んでくれる
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まだ生きる蚊の一匹がわれを追いふと恥ずかしい秋そのものが
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ふるさとは雪となるらし この雨は京にも遅き寒さ連れ来る
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こんなにも長く生きても出来てない 正しく息を吸うのも吐くのも
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冷え込むと急に言われてめぐらせる着る物食べ物毛布の厚さと
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「聞こえっぺ」我が耳たぶには届かずに 満州の唄、検索す
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雨粒のひとつひとつが なみだいろ 天の涙か 誰が哭くのか
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雨降って急に予定なくなって やることなくて ふと歌をよむ
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もみぢ葉の時雨とふれば竜田川水面みのもくまなく色づきにけり
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小倉山紅葉の錦たち隠す霧のうちにや秋は暮るらむ
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雲ひとつ 無き青空に 迷い道 すすき野にみちなく 陽光ひかり薙いで風走る
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いろどりのさかりのなかをバスすすむゆらりゆらゆらいろはにほへと
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シワシワになってもずっと手をつなぎ 君と人生歩き続ける
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