恋の歌私は書けない そう言って ほんとはたぶん照れていただけ
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この地から 去りたくはない 心地よさ 二人三脚 もう一踏ん張り
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庭で手折った沈丁花の香り満つ 背伸びした香水よりも素敵に
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窓開けて 少し遅めの ブレイクに 暑さ和らぐ 春風感じ
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お約束のサイゼのドリンク三杯目 満腹幸福おなかいっぱい春陽麗和はるのひうらら
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志賀の山むなしき枝に雲過ぎて花園いづら夢のふる里
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街並みが 春色にかわるそんな午後 黄緑 空色 桜色
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散りざまも また美しき 春の花 私の想いもそうでありたい
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「意外だね!」 お前は何を知っている? 31字の小さな復讐
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今もなお二月のままのカレンダー 明日には僕も墓の中かも
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具の方がおおきナポリタン作りたり 残り物野菜の処理班なので
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植物も 人や動物 虫さんも 春の陽気に こころおどらす
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はまぐりを蒸して開いてバター乗せ 焼いて醤油を垂らし合掌
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恥をかく位なら息潜めてよう。でも期待する「非凡」な自分
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夕焼けを映す数多のシャボン玉 集う近所の子らは笑った
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英明は黄色注意をしなくちゃとよく言われまたビールで変わる
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鬱々鬱 鬱々鬱々鬱々鬱 春の陽気にすら罪悪感
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朝早く大江戸線で出荷さる ヒルズ社畜と都庁役人
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空の下 優しい青に 包まれて凍ったわたし 溶け出す心
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休憩の度に作ろうピースサイン 平和の為にタバコを吸うのだ
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もがいても 這い上がれない 時もある それでも上だけ 上だけ見よう
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燃える陽を映し流れる鴨川よ さよならすべてのモラトリアム
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初夏陽気 桜の花は散りぬるが 笑顔満開公園の稚児
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ブックオフ 読みたき本は品切れで 図書館で借りた本は山積み
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どこまでも川縁かわべり続く散歩道 楽しき日も有り逃げたき日も有り
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皐月賞 君が仕上げし かの馬は 戴冠果たし 君に捧げる
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おとうちゃん いないときには ぱそこんを あたためるのが チビ猫のしごと
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トマト食べ皿にひとつぶ種残り これを植えても実は成らないか
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最果ての地平でいつか会う君へ そちらは常春だったでしょうか
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友育てしキャベツを山盛り刻み居る ふわふわみどりは友のやさしさ
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