露濡れの紫陽花に見るこの姿繕ったこの憎らしい花
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うるさかろ岩に染み入る蝉の声令和の世には芭蕉はいない
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思い出す度に胸が痛む記憶はアルツハイマーになってもきっと
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たぎる体温ねつ 我生かそうとする熱に 恥じないように生きていかねば
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「すみません、陽性でした」と謝られ 「妖精ですか」と誤変換する
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期待せず 最近流行りの処世術 気持ちは楽でも心は苦しい
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いつまでも飽きることなくスマホ見る 何かを求めてさまよう何か
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吸い殻を貯めたポケット ゴールまでもう少し。最後まで全力で。
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カラフルな水たまりができた。地球温暖化のせいだと笑った。
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缶で飲むと美味いものは全部要らないわ、微分したら消えるから
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あなたとの思い出は消えず幽霊となり台所をうろうろとする
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殺してはならない理由を考えてもらえるものとそうでないもの
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ゆふかげにあだにほのめく夕顔にとはず語りのむしのこゑかな
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打ち水の香りすずやか盆帰り 孫のあと追う日暮れのさんぽ
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ポケットに小銭と鍵が入りおり今日の夕焼け持って帰れず
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気分屋の セミなく鳥には まだ一つ 明日の標に ジャンヌダルクの旗よ
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額田様と中臣様はご来光 明日降る星 見えざる左の手と脚と。
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垂乳根の母病がち もっと孫にしてあげたいと涙ぐむ盆
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斬るというレシピに書かれた誤字を見て食材たちが身構えている
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どろどろとした鬱屈を濾したから 由比ガ浜の色サックスブルー
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夏の終わりあの子がくれた飴玉を口に含んだまま眠り込む
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ハリケーン 今この瞬間 降り続く 窓の外では お祭り騒ぎ
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さよならを決めてしまうと 笑顔しか浮かんで来ない ごめんさよなら
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体温計咥えてぐんぐん上がる熱 仮装大賞思い出しをり
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会社ではしっかり被るかぶ猫の君家では未だいま 反抗期中
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いっさいは過ぎていきます繰り返し目覚めるうちにもう朝顔が・
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こんなもんお尻にぬっときゃいいんすよ 余計な善意をしょ背負ったクリーム
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まあるくてつやつやとしてきみどりで畑のキャベツが一番正しい
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熊くらいでかいお犬にまたがってずんずん山に吸い込まれたい
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「立候補しました‼︎」友の投稿を寝ころんで読む27の夏
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