不器用に道端の花輪っかにし指に永久就職オファー
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盛夏雨 送り盆して 降る雨に また来年と 偲び空見る
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誰か一人耐えれば誰かが救われるような仕組みでないのはわかる
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馬に乗るご先祖さまはどのあたり 迎え火ゆらす風にたずねる
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あいつらの背に張り付いたTシャツを青春と呼ぶ踏み込めペダル
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送り火が燃えてるような人生で 季節の終わりのしるしをわかる
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森ビルの植え込みに落としたイヤホンでインストゥルメンタルを聞く
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真夜中にしおりを挟まずに寝たつづきを探る、こうして生きてる
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前髪を切った分だけ瞬きに雨粒さむく滴り落ちる
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盆のつい 商店街もまだ閉まり されど明日から 始まる仕事
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嘘みたいに真っ赤な林檎差し出されて噛ってしまう もう戻れない・
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福音が絶える曠野の向こうにも新たなまちが拓かれている
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「おいしい」と言えば「そうね」と振り返る 美味しいことが幸せになる
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道の穴離婚のようにペン落とす もう触れられないここに居るのに
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真夜中にラインすぐ返事したのに 既読がつかずモヤモヤの朝
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枯れ枝に朝顔一輪絡み咲く 齢重ねた夫婦のように
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店員のマニュアル対応ブチ切れる 状況判断臨機応変
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スティックでぶん殴られた金の玉しばし動けず男はつらい
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制服の白生地にほら一雫 スイカの染みはくれないをさす
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スカートを翻しつつ走ってくあの娘のことをヒルガオ見てる
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への字ぐち 可愛くないから笑ってよ 苦笑いしたあなたには◯まる
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猫と人 かわりばんこに寝息立て スゥすぅスゥすぅ スゥすぅスゥすぅ
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仮名よりも記号になってゆく思考 宇宙かなたの人になってゆくのか
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退かぬ熱 寄せてはかえす高く低く しこうかいろがひらがなになる
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君はまだ 覚えているか あの頃を 楽しかったな 悲しかったな
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さよならと 言う言葉さえ 話さずに 別れてしまう 人の多さよ
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人は皆 己の道を 選びては 別れは辛く きりがないもの
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愛を知り 愛に生きても 虚しさや 哀しさまでは 消えてゆかない
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死んでゆく この身の辛さ 知りてなお 今日も仕事に 行かねばならぬ
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天の窓 開いていても 生きるだけ 恵みに少し 感謝するだけ
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