私の肺鯨の肺じゃないからさ泡の速さで夜に向かうね
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大空を自由に飛べる夢を見た体重かろき青年の頃
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ちょっとした頭痛と悪寒は蓋をする 見て見ないフリ子が寝るまでは
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こんにちは一歳息子に声かける ペコリとかわいいお辞儀が返る
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デネブベガアルタイルあとなきぼくろ 知れないままのきみでいてくれ
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襟足の脚だけ見える生活で夏がくるまで少しだけ待つ
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夢もとめ 中古の戸建て 日々チェック たたみ遠のき 縁側は消え
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色が成す 編み上げられた風景の 思い鮮やかキルトのおもて
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なのはなのかわづのさくらまつだやまあふせかなひてきさらぎのはる/まつだ桜まつり
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生きていく ことの凄みを 身を持って 示し続ける 誇らしい父
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子を抱いた 君が去ってく夢をみる 惨めにひとり 何も云えずに
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気がいて半月早い春一番帳じり合わせにうなる北風
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潮風に梅が香交じる難波江の葦間に霞む澪標みをつくしかな
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ぼんやりと不安な気持ち隠そうと スマホの画面照らし見つめる
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痛ましき 子らの死の報 日々目にす 平和呆けとも 言われる国で
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お天気がにわかにチピチピチャパチャパと 神すらミームにハマってんのかい
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ねこたちも なんだか今日は寒そうで 箱ダンボールのすみっこ ちっちゃく丸く
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冬に戻り ブーツと出した冬コート 風の中をば ランチにお出かけ(予定)
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さくら前 梅に菜の花 水仙と 花だよりきく 真白の大地
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野はなべて緑になりぬ若菜摘む袖かと見えし雪は果てて
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もうすぐにいよいよ春がおとずれていきものたちが踊りはじめる
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どこかにいる春を探して吹き荒れる春一番ってそんな風かも
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対向車一台もないこの街に はためいている宅急便の猫
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冬はいい汗もかかない虫もない なのになんだねこの天候は
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遠い春あなたに会ったその日からぼくのせかいはおかしくなった
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叫びたい 蠢く言葉が 俺を囲う 四十路のヒップホップ なめるな自分を
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「ここおいで」君の居場所はちゃんとあるって言われてるみたいステキな言葉
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散歩中 一粒の雨 目に入る 手術の傷が 治らないのに
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強い風 追いかけられる 夢を見た 不安なんだな 退職したら
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シランまだ土をかぶりて夢みてる 赤紫の細き舞姫
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