黒色のつづりひもから閉じられて立冬という二十四節気
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拙くも力を込めて歌えれば 気持ちは届くあなたに届く
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肌寒くなってきたね、と言う君が最近つけてる濃紺のシュシュ
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善き親の総攻撃の感謝込めスマホの中を迷宮にする
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幕上がり洪水のような光浴び輝く舞台を 夢見ていた けど
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置き配を味気ないとは思えたがインターホンの声は朗らか
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つらいとき頼ってもいい?猫に問う (・・・・・・無言)ありがとそれで充分
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名前を呼んで恥ずかしがってるなら キスなんてできるわけないじゃん
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「どうしよっか」気づいたらこんな時間だけど まだ一緒にいたいんだ
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サイダーのあわのむこうで笑う君を思い出して苦しくなった
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今日という日が終わるその時に 君がとなりにいるならそれでいい
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ぐずる孫引いて歩いて誘拐に間違えられた俺の面相
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公園でよその子見てたら母親が「変なオッチャンいてるから帰ろ」
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神主さん好きな料理は磯辺揚げなぜなら海苔と揚げるからです
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風立ちぬ明けない夜はないのだと昇る朝日といざ生きめやも
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小金がある独身友は土瓶蒸し コーンスープで暖を取る吾
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盤面に光る一手を探してる 棋士の瞳は空より澄んで
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朝焼けを背に整然と並ぶ鳩 そこに生への活力写り
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エシカルな消費を心がけているSHEINで買わず美少年を消費する
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恋慕う 君の穢を知るたびに 愛し悲しき これも恋かな
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実体としてのあなたに興味がない、のを隠しつつ握手していた
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叫びたい言葉、想いを流し込む 白湯と睡眠導入剤とで
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知り合って四半世紀の友連れて  三十年の友と交える
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「寒いね」と両手でココア包み込み 何本目だろう見送る列車
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休日に君が焼いてる食パンの 匂いで起きる幸せ齧る
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先に立つ君の面影見失い 心の隙間北風吹いて
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君が死ぬこともあるよね そんなこと含めて全部許せないよね
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誕生日 自分に初めてプレゼント三年ぶりの文楽に行く
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「ヤバい好き尊い感謝」込め振ったキンブレ発掘、電池切れてら
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出発の飛行機を取る親指は 田舎をはやく出たいようだった
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