猛暑日は庭にも出ずにひきこもりグッタリ花々吾を呼ぶらしい
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夜なのに傘を差す人 新宿のネオンライトに身を灼かぬよう
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かわいいの賞味期限はいつですか いつかあなたが忘れるその日かな
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諦めてしまったのにと言い聞かせそれでも解けぬ恋の魔法は
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人の輪の外でほほえむあなたにも視える未来がありますように
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得体の知れぬ変身を強いられている 少女から大人へと
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通知ひとつで躍る胸 あるいは落ち込むそれ 乙女心と云ふ
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あれこれと試してみては気に入った靴だけなぜかサイズ欠けなり
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満たされたくない口付けは嘘ばかり言うこの口を閉ざしたいから
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カナカナと聞こえ始めた午後7時 ちょっと息する今日は猛暑日
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いつからか雲に名前をつける癖 その時私は少女になった
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辛いこと悲しいことや理不尽も いつかは消えて跡形もなく
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梅シロップの氷たっぷりソーダ割り くいっと飲み干しさぁ草取りだ
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窓からは七割山の我が家にも 三割の空 真夏 連れ来る
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火をつけし蚊取り線香携えて 夜を探しに森まで散歩
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夜露から揺蕩う日々は逃避行土煙咲くあの生き仕草
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あっちいし、ズッキーニとかたまにはさ、カレーに入れてみてもいいじゃん。
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久しぶり自販機で買うコカ・コーラ釣りはたったの二十円かよ!/マジ驚いて
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胸中は神と対話し騒擾に出された試食微笑んで受け
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ふいと出す趣味のグッズを武器として真面目な会議少し反抗
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えっまた炒飯 俺は酢飯を食べたいぞ と言ったとたん「あんたが作れ」と言われるから黙る
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えっまた炒飯 俺は酢飯を食べたいぞ 大葉と茗荷を散らしてあれば
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えっまた炒飯 俺は酢飯を食べたいぞ 具はカニカマとトビコでいいから
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読書灯つけたまま寝る虫の字が飛ばないようにページは閉じて
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雷のゴロゴロ音にワンと吠え 迎え撃つよな頼もしさ見せ
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清き水澄みし空気につぶやきぬ「嗚呼みちのく…」と旅人のごと
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目覚めれば東の窓から金の朝 はちみつ色の妖精の道
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迸る 稲妻を抱く 黒雲は 鏡に映る 僕の姿か
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昼の2時 ガムを噛んでもまだねむい お茶を飲んでも せんべい食べても
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喉乾き、自販機探せば炎天下。君に手渡すソオダのかがやき。
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