まだ辞めるわけじゃないので花束は要らないのだが貰っちまった
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物憂へば斯かる氷雨に濡れそぼち傘開く手を暫しとどめむ
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白妙の 埃に似れど なほ違ふ 窓ゆ見えつる あしたのけかな
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春の陽に溶けて消えゆく雪みたいに忘れていきたいあの日の恋も
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君が吸う煙草の先っぽの鈍い赤 それは私の心臓の色
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氷上に投げた氷が飛び散って池のはしまで素速く走る
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降る雪の全てが鏡だったなら色んな角度で自撮りが撮れる
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「熱湯で三分待つ」の契約を受け入れ食べるカップ焼きそば
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いつごろ撤去されたのだつけ団地内でもくもくごみを焼く焼却炉
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雪解けの水溜まり映る月掬う のみほせそうな掌の月
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この先は誰も知らないままでいい バットエンドは闇から闇へ
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投げつけて積み重ねては踏んづけてお前のことを待っているのだ
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からからと笑い声して傍らを氷柱つららだらけのプリウスが行く
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指名手配犯の顔を見てほくそ笑む 明日になれば主役は消える
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「ケイタイといえば公明党」と云うポスター目にするこれが政党
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寒くって丸まっている凍えてる思い出全部消えないなんて
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降る雪を向き合い黙って眺めていた別れ話のカフェの窓際
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クレヨンや降る雪望むリビングで一つ残らず剥き出しにされ
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犬連れの琵琶湖波打ち雪景色リード放たれ喜び走る
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普請中今朝も犬連れ逃避行どこに行こうかゲージの君よ
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生活はいそがしいのだ踊ったり犬の交尾を見学したり
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愛という 奇跡を信じ 求めれば 暗き人生 真昼となりて
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できるなら 全ての人を 愛すれば 全き幸福 限界はなし
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一人でも 周りの人を 愛すれば 幸せは増え 膨れ始める
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自らと 似ているところ 愛すれば 小さな差異は 個性に過ぎず
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自分とは 違うと言えど 相手にも 同じところが 五万とありぬ
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相手にも 人生があり 家族あり 自分と同じ 苦しみもあり
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自らを こよなく愛す 人は皆 麻薬求めて 飽くこと知らず
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今ありし 目の前の人 愛さずに 誰を愛する 幸福のため
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永遠に 続く幸福 求めれば この世にあらず 信仰に帰す
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