牛乳のぬるい甘さにあこがれる仕事をしてまで生きたくないな
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ただ一人自分で自分を守る僕 金を稼いで何になるんだ
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その深く、真円まるく、輝く、赤灯を写した瞳 停まれずに、夏。
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真剣に気が狂うのが怖いです どなたか大丈夫だと言ってよ
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東雲しののめに月を見送る白無垢しろむくよ 星のしたたる百合の花弁はなびら
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「明日までね」綺麗なスーツと高い書類 じゃあお前はやったことあるの
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全天が晴れ上がるまで待てるならその高嶺からすべてがみえる
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最後だと わかっていたなら なおのこと もっと大事に 味わえ日常
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やな予感貴方はまたもやらかした? 明日で終る事もあり得る
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絶対に返さなくていい、おやすみと 貴方のライン突然届く
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詠いたい貴方の顔を想いだし 言葉探して眠りに落ちる
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チビ猫のシッポを踏んで平謝り(汗)さいわい「キャウン」の鳴き声こえはちいさく
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いち早く新刊本を予約する本は買わずに図書館と決め
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こわもてで白髪なびく老人が通学道路で振る旗やさし
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黒土に湯気立ち上る十勝野へ 歌人時田が歌の種撒く
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玄関に合羽さげたる家あかり くびりしひとかと 驚かれぬる
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ひよっこのカメラマンだが絶賛す 沼にハマった2男きみ の写真に
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「薬ない?」調子悪いと聞いてくる 我が家は長男きみのおかかえ薬局
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水たまり よどむ灯の矮星に 雨の光子フォトンが われさきに逝く
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気が向くとちょっと喋りに来るぐらい 3男むすこなんてさそんなもんだよ
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クロヒカゲつまんで窓から逃がす キミと見上げたい空が広がる/虫の日
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玄関に猫が寝ていて入れない 笑っているきみちょっと助けて
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手渡された古書に残るぬくもり 彼方のいのちに思いを馳せる
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壊れてもいいと思える恋をして壊してしまった私の欠片を
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「君が好き」言うのはカンタンなのに、なぜ君に伝えるのができないかな
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夜の闇ブルーライトの夢の中 うつつを忘れて海に流れる
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ハライドのひかりに眩し jacarandáハカランダ 小二のころの初心うぶなむらさき
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ゆっくりとじっくり本を読み終わり閉じた時点にほぼ忘れだす
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何時間もかけて書いたプロットもふとした閃きに破壊される
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膝痛がとても和らぐお風呂だが浴槽でるとき死の予感が
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