揚雲雀あげひばり 見上げる空が 眩しくて 聞こえているか くしゃみ三回
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降り頻る君の涙を肩に受く 白き小壺よ静かに眠れ
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天孫の降りし大地に神宿る包み込まれて霧島は雨
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本人と書いたたすきを掛けたまま無言でじっとこちらを見てる
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他愛ないお喋りたちは散り泥み心に積もるふかふかな土
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「ほんとうのこと」という比喩。むきだしの「まこと」から目をそむけるための
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あれ程に思いつのらせ小細工をめぐらせたなど風の夜の夢
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「母の日ってもう過ぎてたの?」を繰り返す そんな息子かれからのプレ 息子よ、どうした?
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「カーネーションありきたりだし新作のスイーツなんて喜びますよ。」
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午後になりそらまんてんの青空に 天気予報のうれしき誤算
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レジ前で「母の日ですね。」呆然と動きが止まるバイトのパパさん
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忘れないつらくて涙こぼれても 生涯いちの宝物だから
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缶ビールひとつ選ぶも難しいケーキふたつは簡単なのに
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婆ちゃんも私の母です「何飲みたい?」ビール1缶コンビニ走る
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もう二度と靄のさきには戻れない木造橋は燃やされている
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もう二度と逢えないけれど出逢えたのがキミで本当に良かった
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転んでもタダでは起きぬ二百円不人気オモチャ再構築す
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想い出の数だけ涙流れるが その涙はいつかキミを強くする
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傷ついた恋ほど忘れられなくて 忘れたいと願うほど心刻まれる
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追うよりも追われるほうが好きな俺 なのに貴女あなたを追い続けてる
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元カノが娘を抱いてるプロフ見て 乗り越えていた自分に気づく
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ぽつぽつと降る雨の下とつとつと潰れた喉であなたへ歌う
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誰でもね失敗するよ そのあとの謝り方が何より大事
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「ガールズバー楽しかったね」ついうっかり「うん」とこたえて怒られる俺
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女子なのにガルバで飲みたがる君はガールズトークで俺より楽しむ
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人生は短命でいいといいながら見慣れぬホクロに怯えたりして
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子供らと 付かず離れず それぞれが 心豊かで 嬉し母の日
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夜に吸い込まれそうな日 会うきみを北極星とおもって歩く
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ただ飾る言葉にたぶん正解がなくてふたりで見ている夕日
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お膳立てされてはじめて輝ける わたしは水槽の熱帯魚
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