草野球した公園を訪ねれば跡かたもなしタワマンの敷地なか
12
「知らない」と「知ってて使わない」の差よ好きになっときゃよかった勉強
10
平和ボケいいボケと悪いボケがある戦争慣れなどしたくないから
11
「真夏でも純白の息を吐きたいの」 タバコ挟んだ中指が綺麗
8
フェアリーな円周描くてっぺんでボクら逝けずに仰ぐもの有り
6
ふるさとの一軒長屋バラックいまやタワーマン場末の街は麻布となりぬ
8
外国のお客様にこそ味わっていただきたいのは平和な日本
13
君が詠む君はいつでもそこにいて だからわたしも詠むよ ねえ君
5
まだやれる惜しまれつつも引退を決めたその背はより美しく
9
趣味は?と聞かれて頭捻ったが景色見ながら歌を詠む秋
9
外灯を付けなかったらブチ切れる姉はいっさいしない下の世話/(介護)
27
砕け散ってもひかりはひかりのままわたしの目だけ射抜いてくれる
5
忘れてた誰かひとりに届けばいいそうして始めた短歌なのに
19
口笛が思い出させる君は何処 水筒擦ってジーニーを呼ぶ
4
右左交互に曲がって付いた先 妄想膨らむ カントリーロード
5
助走付きのジャンプ 届かなかった緑桜と 振り返る君
3
休みの日娘とランチその後は 愛犬散歩幸せ日和
13
恋すれば舞いあがったり轢かれたり 木の葉のごとき心にもあるか
11
〈サクラチル〉 電報を知らない僕らの 静謐さを保つ不自由
8
いつかあなたが打ち上がる時一等素敵なかたちでありますように
7
歯車と星を越え往くグルコース 友たる賢者の元へ降り落ち
4
日曜日 予定を消した その代わり 寝転んで飲む ルイボスあちぃ
17
背を伸ばしアサギマダラの飛来待つ凛と咲くのはフジバカマかな
12
泥パックなんてしなくていいんだよ目尻のシワが好きなんだから
11
ワレモコウ紫苑もススキ散り行きてフジバカマだけ背丈を伸ばす
9
人前で朗読なんて初体験ドキドキ隠し平明に読む
11
スーパーで夫婦めおとの客に行く道を吾は塞がれきものなりや
9
会話して言葉出てこず母のよになるかと怖い短歌捻ろう
15
ねこパンチ どつきあうけど ほんとはね なかよちなのよ ポコっていうけど
19
好きすぎて コミック新刊未開封 最終巻の予感に慄き
13