春キャベツ甘く優しい春の味 葉物嫌いの二歳も笑顔
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木に実る 八朔をとる 吾を見て 鳥は言いたげ 「おまえはいいのか!」
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わけもなく笑っていたねつらい時期も  君がいたからここまで来れた
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植物は見かけるだけでいい 育てると恋と同じですぐ枯れるから
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あくまでも個人的好みで言いますが由伸くんは髭無しでいてね
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一平氏に何があったと首ひねる 日米間に衝撃走る
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寒いから日向ぼっこをためらいて ねこはくるっと踵を返す
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世の中に知らないことは沢山ある りんごのペタペタ ワックスちがう
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園庭に風の子たちの歓声こえ響く戻りし寒さものともせずに
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いつか来る “それ”はどこかで 見てるから 備えておくの 立ち向かうため
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増えていく小石のようなあれこれを処理しきれずに蹴躓けつまず
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「だって別に死んだっていいし」とせせら笑ういじけたガキの眼をば見よや
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週末の 予報が雨と 聞くなれば 花粉散らぬと 安堵する吾
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春嵐も過ぎゆき晴れの門出かな 澄むよに青い空よ続けよ 
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制服に 別れを告ぐるそのときは  君の未来を 必ずやささえ
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碧一面 浮かぶ白に春思ふ  太陽の輝き 日毎に増しつ
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10分であなたの価値を羅列して明日を生きて良いか決めます
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この頃は毎年浜に揚がるので異変の多い世間になった
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待ちかねし春分なれど吹雪くなり「名残の冬」かとため息をつく
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来る春の 山の息吹を確かめつ 木洩れ日の下 カタクリの花咲く
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処処に啼鳥を聞かずに二度寝する 生きるいみなどないものだよな
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忘れゆく微睡まどろみで見た甘い夢 交わした接吻キスは誰の唇
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昼過ぎてまだまだベッドと添い寝中 推しがどうやら結婚したらしい
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失った 言葉は再び 反芻はんすうして 吐き出せ吾が背 短歌男子灯屋くん
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レンチンを 初めて使った 少年が 錬成したのは 暗黒物質
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もう一度ふらりとあの人に会いたい 叶わないかな春の彼岸に
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あさごはん 目玉焼きひとつにウインナー ほうれん草のおまけつき
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鰹節みたいに踊れたらいいのに わたしの体は重すぎて
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返信の文字で聞こえる言い回し確かな貴方の言葉と思う
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何のためでもない僕のちょっとの愛と勇気と少しの苦悩
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