問いかけに酷く短い生返事五十年経て変わることなく
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暮れ時のちらほら舞い来るなごり雪諦めの悪い君のようだよ
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コーヒーはきらいではない きらいではなくしてくれたあなたはひかり
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まぼろしの花、まぼろしの匂い。やさしい言葉をかくために掻き抱く
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フライト、トレイン、5時間旅行へ、さあ、ようこそ
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さあ、北へ、防寒はバッチリ、一万フィートのランデブー🛫
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雨上がり 陽射しまぶしい 夕暮れに 明日は祝日 いい日になあれ
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沢山の 女を犯した この脳で 愛してるとか ほざくのだろう
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沢山の哺乳類で作られた 僕の右手は猫を愛でる
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可愛くて 愛しい家族 愛猫は 僕の名前も 覚えていない
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スーパーの 和菓子売り場を 飛び出して 誘惑してくる 甘い牡丹餅 
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何気ない今日という日を思い出す そのために撮る何気ない今
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よその子のような手触り足回り車検帰りの君の心地は
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違反でもカブの荷台は君の席 30km(三十キロ)の春を横切る 
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空でさえ 曇った時は 泣けるのに 人は泣くなと 言われて久しい
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さくら咲く 華々しきを 気にもせず 猫の姿す 柳ほころぶ
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眼鏡外し だいたい見えるぐらいでいい よく見え過ぎたらこの世はしんどい
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卒業式終えて静まる校庭の片隅ひそりと早咲きの桜
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あぜ道を 彷徨う猫に 手立てなく 闇に消えゆく 厳寒の冬
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四月から高校生になる子らの 華やぐおしゃべり昼間の公園
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立ち寄ったフリマで購入子ども服 誰かのひと夏支えたTシャツ
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明け方に生まれ変われるのは君か僕かどちらかひとりだけだよ
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水際の つがいでついばむ 水鳥を 羨ましく見る 吾は独りで
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おふろイヤ動かぬまなざし握りこぶし五歳直立あくびひとつ
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センバツにメジャーリーグにプロ野球 母は目とテレビ3つずつ欲しい
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日本酒の栓をあけられぬまま二年 世界滅亡のカウントダウン
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豆乳は変なにおいがしなけりゃいける 変なにおいがしたなら捨てろ
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ちま猫は さらさらすべすべ チビ猫は わりともふもふ どちらもよきかな
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おしゃれ着の洗濯ボタンをピッと押し 朝がはじまる 花粉の朝が
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俗にいう「暑さ寒さも彼岸まで」どっち何だという空模様
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