混み合って君の背骨に手を当てば貝殻のよう 夏の砂浜
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われわれは優生学の黄昏に未來過去へのプルトンの鐘を負ふ
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万国旗 ゆめのやうなる朝の空へ人は手をさしのべてをりぬ へ
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志願せる少年兵はためらはず窃盗、強姦、虐殺す けふのことだよ
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「兵器には自由があってころしてくれるぼくたちの敵に 自由は?」
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夕立にググってみたら漱石が生まれた年に龍馬が死んで
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アラート音 観劇途中 鳴り響く アナウンス入り 怖いほど静か
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踏切が閉まって夏が待ちぼうけ 沖縄だけにつく晴れマーク
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45年昔のアニメをネタにして歌を詠めるも平和の証よ
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「母ちゃんはもう何も言わん!」決めたのに気になる宿題 進捗しんちょく具合い
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雑草と草木をまとめて呼ぶあなたならば私も只のオンナか
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暦に丸付けた日目指す毎日は各駅停車のように長くて
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気がつけば靴も鞄もTシャツも電車柄だね二歳のわが子
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サンマロは眼鏡をかけている時といない時あるややこしい奴/ガンダムかるた
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夏風邪に倒れるようなこの僕は 恋を伝える声すらないわ笑
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バリバリの少女漫画を傍らに 納豆汁とおにぎりを食む>ベルばらとかね
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あの日この指に蝶々が止まったから この街は戦争を始めた
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路地裏の猫じゃらしの穂そよ揺れて孫ら迎える秋風の立つ
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ミノフスキー粒子もし撒けば、今のいくさもせめて白兵戦に(ガンダムかるた)
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初カノと覚えたカフェの夏の味 父のロックアイスを盗んだ
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科博プール図書館電車 八月の雨戸を閉めた微睡みの家
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コンパスよ 余多の命狩る地獄 自由キラを遣わせ 世界の子らに
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お互いにキスする瞬間目を開ける いつまで経ってもキスができない
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きみの「はい」という声から恋はじまったから拐われてくれないか
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暮れなずむ前田さん 天ぷらのかおりまとひて黄金夢想
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関西の血 ふくいくたるおもしれー女は ハム語パーへくちなり
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あなたってあたしの入水自殺の枷にはなってくれない 浮かぶ
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友垣の歌に誘われ波まかせ 泡沫まといクラムボン笑う
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手のひらに鉛筆の芯埋まってる夫も私も昭和の生まれ
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ザクプラの目に赤豆電球嵌め薄黒下敷きを短冊に切ってこれを覆い あのポンと赤眼が灯る感じを出した 当時の俺えら
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