あっ蛇腹カメラで撮っている話しかけたら作詞家と僕もだよ
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あら偶然 陶器婚式 三日後です 夫婦茶碗は割りそで躊躇す
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柔軟剤 変えたその日は慣れずじまい 知らない香りにドキリとする春
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悲しくて せつなくても 明日には 君は眩しく きっとまた輝く
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木漏れ日を眺めるままに移ろいて そうして季節が終わったらいい
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批判的中傷投げるネット上。生活保護は怠慢じゃない
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雨を受け 緑は深く さらに濃く 若葉らと待つ やがて来る夏
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観る前に 見たい映画の 情報が 気をつけないと ネタバレ注意
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濃かったら薄めて色を塗ってみるせかいを変える水になりたい
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疲れて犬が寝そべる スカートの裾は正した
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手探りで思い出そうと手帳みる去年のいまはなにしていたか
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”おやすみ”を待っていたけどもう限界 明日の朝は”おはよう”ちょうだい
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しばらくは己を慰む夜が来る 涙を拭かぬも指は濡れるや
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「愛してる」息子たちには無条件 迷わず言える見返りいらない
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息子らがカメラの話で盛り上がる 隣で微笑み幸せかみしめ
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ラジコさま ラジコ様様 ありがとう 東の空気 ありがとうさん
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長い夜眠れずにまた過ごしてる見過ごせないひび日々入ってる
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長い夜明けてくれる日待ち焦がれその一方で永遠にする
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家という全体ばかりを気遣って見過ごしていた雨打たれる屋根
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暖かい布団の中は僕の海 終わりの日にもこの海にいたい
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鷺の足 川面の細い足を抜く 真面目に揺れる頭上のハネ毛
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ネモフィラの青が広がり どこまでも 空とのさかいも染め消して春
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寝落ちして君の”おやすみ”来ないから 私の”おやすみ”送れず眠る
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君からの”おやすみ”の文字待っている 小さな灯りシンとした部屋
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さつき待つ キミの柔軟剤かおりを忘れちゃうかも 忘れちゃうかもしれないよ!?
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月の夜 時間を忘れた白い蝶 揺らめく羽の眩しい輪郭
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夜の風が照葉樹林を駆け抜けて街路灯へと当たって散った
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不安定な景色を探すかのように光る瞳を覗き込んだ
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この日々を暗い映画のようにしたい例えば少し泣いてみたいね
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そわそわと君とブーケの帰宅待つ 青葉雨降る陶器婚式
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