冬までに「パンダ」に改名するつもり パンダってほら、モコモコじゃない
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鷹が飛んでる写真を撮ったけど 全部バサバサの「サ」で最悪
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そういえばイタリア好きって言ってたな 骨と一緒にピザも焼いとく
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知らない子供に手をふり返したの 結婚式だけ呼んで欲しいな
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いつの間に雨は冷たくなってたねさしだした手のてのひらは下
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「おはよう」に「ぽきげんよう」と返す君 だから大学落ちたんだろう
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ジングルを一節聴けば甦る午前三時のハガキ職人
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鐘楼は街に根ざして毎日のくらしと時を共振させて
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種芽吹き 産まれ発芽す その時を 今か今かと指折りかぞえ
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殺意さえおもいでならん河下の鉄砲岩に拳を当てる
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あの頃は人生の春真っ盛り 秋の夕暮れベンチの思い出
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鳩いっぱい! 指差す君の声はずむ なんだ2羽しかいないじゃないか
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秋冬の 衣食が世間騒がすも おかまいなしに鳥の巣作り  
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好きなのに「いいね」の少ない短歌うたあれば秘密の宝を見つけた気分
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お前らはみんなばけものあの人の心を殺してなにも言わない
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逃げるため足を捨てます 鰭にして貴方のいない海にゆきます
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完全じゃないから二人でいるんだと思った 君は完全な人
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それなりに考えてます次のこと 思い通りにいかないけれど
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くちづけと同時に皮膚へ食い込んだこの爪はやく折れてしまえよ
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なるほど山は紫で水も程よく澄んでいる 鴨川デルタ
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「いらっしゃいませ」以外の敬語がない 喫茶で文庫本を読み終える
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山麓の 賑わう古風な町をゆく 車夫の顔など 乗り手は知らず
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青鷺を しゃがんでフィルムに焼き付ける あなたをわたしは 目に焼き付ける
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雨風に 観光客の喧騒に ずっと耐えてた紅葉が散った
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秋月の 枯れ葉が乱舞 並木道 君の見舞いに 行く幸せ
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「あと一回」舌先で軽く溶けていく砂糖菓子にも似た約束だ
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お人形サイズの焼菓子切り分けて アイスを添えて にゃんこスプーン
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眠そうなねこたち見てると眠くなる 日に照り映えて そろそろ冬毛
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しづかなるこどもあやめし兎の屍月光に艶かし弟切草は
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口を衝く 止まぬ言い訳反故にして 三十一文字出直し図る  
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