日に焼けた素肌をなぞり楽になる引きこもりではないんだ私
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今年はねアイス手作りしています初めてのことあると幸せ
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大胆に言わせてもらえば昭和とは「せんだみつおがウケてた時代」
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夏らしく短く切ったおかっぱはまるいおでこと笑顔が見える
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たまでいい吾子のこぼした飲み物を拭かなくていい一日が欲しい
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おひるねの布団三つ折り内側に二年目で知る登園マナー
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キミってさ、「快速」を待つ私の手 グッと握って「普通」に乗る人
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雨の日は君が心配 砂糖菓子みたいに溶けてしまわないでね
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無機質の 水も揺るがぬ水槽に メダカの幼魚今朝生まれ出づ
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世界中、青色で塗ろう みんな友達だ地球だ 宇宙じゃないけど
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右向け左 ふらふら バランス取れてた、のに、右右右右右右 ぐるぐる
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大丈夫?って言われても困るんだけど、大丈夫?って言ってくれてありがとう
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届出とか診断とか薬とか……あの、元気でいたかっただけなんですが
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あさごはん、何食べたのって あさごはん食べられる人のトークテーマだね
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心臓の鼓動で廻る血液は はたらいていてつらくないかな
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自分のために買った日記だったのに ただのノートになってしまった
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家族から 個人重視の制度なら 少子化なのは 必然的です
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僕たちは高速回転し続けて落ち着くまもなく瞳をとざす
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何一つ上手くいかない世の中で 小さく呼吸する生き物です
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覚醒の扉の内に詩はありて 踏み入れた人のみが見る地平
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虚構の地平に反駁されたAmourと知の因果。汝、詩人たれ!
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あるはずもない鼓動 それが僕たちで 影も形も残らないのだ!
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永劫の環《わ》の中で歳月が鳴らす竪琴 人も変わってしまうね
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存在の小径を歩む人だけに息づく時となりゆく墓道
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浮世には刹那の果実だけにこそ宿る永遠と朽ちる華やかさ
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忘れかけていた香りを思い出すように歌を摘み口ずさめば花
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フリップしてーー線香花火の散るまでを! 眼を突き刺す九相図の香り
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草原に波紋を刻むときの風は 見えざるものらとすれ違った肩
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所在無く散る草の行方追う人の目に いたはずの誰か風の音
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長雨に ベンチで佇み メランコリー 止まぬ思いぞ ながめわろかる
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