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和々
(
にこにこ
)
と
咲顔
(
えがお
)
でいれる 大人には なれそうもなし 今日
好天
(
こうてん
)
なり
6
ヒロインに仕立て上げたるわが様をこれで良しとすわが
日日
(
にちにち
)
を
11
涼風に犬の散歩の夕暮れ時馬かと思えば鹿駆け抜ける
15
雷光の度に強まる雨音を一人聞いてる音の無い部屋
53
雨の月 世心惑はし 水無瀬川 月やあらぬと袖の
柵
(
しがらみ
)
4
色づいたカエデの葉さえざわめいて僕の心の雲は暗くて
6
暮れ時の小道慌てて小走りに仕事帰りの余計な用事
3
少しずつ寒さ近づく季節にはあの娘のカフェに入ってみるか
5
遠い地の戦争友の力説も我は言葉の綴りを気にし
5
夜寒など書きつつ続き決めかねて燗を一本つけるか迷う
7
あまがえる白き腹みせ窓登る 歯磨きの手をとめて観察
35
ビルの影角度斜めに傾いて木枯し強く吹く季節来て
6
長かりし熱帯夜の日々終わらせる慈雨となりぬる秋嵐かな
26
透けている血管の青と紫を今更ながら優しく撫でる
18
ひりひりと波立っていく心なりほんの些細な出来事なれど
43
いつだってやさしくありたい溢さずにシュークリームを食べきってみたい
5
繰り返す2歳が鬼のかくれんぼ隠れる所もうありません
16
ひとり風呂子の水鉄砲構えては一心不乱に打ちまくる
深夜
(
よる
)
11
猛暑日になろうかという日の午後に薬用リップのコマーシャルみた
5
海沿いの町で記憶の断片を探して歩く青春ゾンビ
5
ひさかたの 秋はいづこか 鳥はなく 空こそかすみ 姿隠さめ (九月一六日 七十二候「
鶺鴒鳴
(
せきれいなく
)
」より)
6
開けている右耳にピアスそんなやつ駐車場にて駐輪している
2
茜空 夏を見送る 風が吹き 今日が最後の 真夏日なるか
23
夕食は冷やし中華の食べ納め鼻つくカラシもしばしお別れ
6
かなしいな 短歌づくりに没頭し 電車のりこし多摩川を越す
12
「ランドセルあかにする」 うそ ほんとうは あっちのくろいのがよかったの
4
君よりも もっといい人がいるなんて わかってるけど 君じゃなきゃ駄目だ
18
本届く
開
(
ひら
)
けば家事が手につかぬ 抵抗するも結局負ける
14
珈琲も空も薄めのブレンドで たしかに匂う風の秋色
20
この店の 客は全員 能力者 指先だけで ストロー曲げる
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