夜明け前痩せ細りゆく針のよう やがて新月こよみも新た
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寒けさにつつまれてゐるあしたには震へのうちにたしかなる吾
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春夏秋冬ひととせを いつの間過ぎて年の末 願ひ七掛け叶ひて感謝す
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北国の 師走の街並み寒々と 行き交う人に 粉雪が舞う 
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妖精の機知のあふるるあなたなら魔女になりて病魔を溶かす \ おだいじに
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画面ボケるフロッピー時代の‘VAIO’にはDNAR「おつかれさま!」と
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マジかって笑ってくれた君だけど何かを言えば壊れそうなの
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若いもんには負けんぞと厳しさの中へ情熱新人王に
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ジンジャーとレモンマートルのやさしさよ 湯気の立つお茶ルイボス お腹あっため
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真夜中にノンカフェインのお茶さがす なんかしらんけど不眠3日目
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別れの日いつか来ること解れどもかなしむよりかなしみあいたい
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常夜灯と名乗る優しい感じの人が昨夜殺したほんとうのよる
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強くなりすぎたシンデレラ ガラスの靴じゃ危ないからスニーカーで行くよ
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珈琲を飲んで一服新聞ニュース見てまったり仕事の在宅勤務テレワーク
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ましかくでいられないこの凸凹を許し合うときパズルは埋まる
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合歓ねぶの木のしなひてねぶる道ながく青梅街道タクシーせはしく
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ただいまと おかえりなさい 里帰り 近況よりも 元気なにより
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ぷろじつとの夜に沁みいる民家あり灯しの道はわれをとほさぬ
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担々麺食べて幸せ感じくる今宵の風は冬運びけり
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ぎし紅茶の色の橡の葉を踏みしだきゆく掃苔の路
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光景をいまだはつかにたなごころに持てる心地の黄なる実置きつ
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嘘をつき猶ほ嘘をつき生き延べる朝、碧空へきくふのいや薄ら月
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五十路には夢残されずわずかなる甘い記憶に溶かされて行く
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家事のこと口は出ださぬが手も出さぬ半世紀過ぐ夫との暮らし
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いとしひと片道切符の汽車の窓見つけ目が会いただ遠ざかる
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カリンバのキー抜け青ざめ動画見るドライバーなどプラスしかない
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見つけたねでも君じゃない欲しいのは精密じゃないドライバーが良い
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ドライバー買いに行こうとしてたけど蛇口修理で移動制限
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親からはいつ帰るかと訊ねられ続く言葉は掃除手伝え
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あらそうと母は聞いてはくれるけど必ず目だけは笑っておらず
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