ベランダの近いところで鴉の声 落とし物とか して行かないでね
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天気予報信じてデニムを洗います カメムシラッシュは去ったのかしら
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短くて隙なく揃う爪のキワ薄らに見えたボルドーの夜
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人が好き 私を好きな人が好き そんなの聞いても納得できない
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会いたいと思った人に会いたいと伝えて会った 日曜の夜
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走りゆく列車 取り残されたのは 私だけかな
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幾度幾度も 決意せよ うごけずそのままま すたれゆく
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なにもかも やめたいはずが かわれずに おなじかごで すごすひび
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見上げれば 冬の訪れ 諭す木々 視線落とすや 秋の絨毯
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群れ立ちて落ち穂啄む白鳥の目的の地はあと幾日ぞ
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ハンドルを力を込めて握りしめこの冬初の圧雪道路
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うたかたの・うたかたなれど・うたかたの言葉遊びにキリは無けれど‥
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声に惚れパケ絵にやられ気がつけば聴きまくってるこのごろのテトSVテト
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久々通勤、始発🚃🈵なんでこんなに混んでる?真っ暗な闇を突っ走るゴー
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もう歳を取っても嬉しいことがないなんて歳の取り方したくない
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「怖いー」と幽霊達が逃げていく 人間達の悪逆無道
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冬パジャマ ねこは自然と引き寄せられ 上に陣取り 我が物顔よ
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悲しみをこねて形を整えて できたのは鼻を鳴らす子犬
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撫でられて嬉しいらしい 自慢げに「羨ましかろう」とこちら見る犬
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犬を呼び 布団の中で温めて 狭い寝床を共に分け合う
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我が行く手を遮るそれは透明でぶよぶよとした膜のごときもの
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鉄風の吹きて渋谷の黒か青。 宵に別れて夜明けを想う。
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社畜ゆえ なんの元気も起きぬまま 死なないために よく眠るだけ
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冬の夜あなたを思い涙する 私をそっと癒やすあめ
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お互いを守る理由で離婚した私もそんな約束だった
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心臓がプルプル震えて日を跨ぐ世界の果てまでこんなに近い
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延髄に当てるアイスノンこの世には気の狂う種があまりに多い
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そういえば 今日は何も していない ほかには無いな こんな贅沢ぜいたく
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ロードショー待ちびと来ぬまま終わりて見上げし月は小さく欠けたり
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眠れない。夜の空気が澄んでいて。余計なことを考える。
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