はじめての恋は私を戸惑わせダイアリーには長い恋文
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リアルでは居場所はなくて死にたくて 安定しないネットに生きる
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霜月の終わりはこんなだったかと訝りつつも晴天享受す
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昨日今日 区別がつかぬ1日も 違う誰かの 忘れ得ぬ日に
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この感じ津波の時と似ているかJアラートの発令の夜
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ゆずもぎり マーマレードの したじゅんび タワシでこする ゆずの香とびちる
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いがいにも 聴力つかう 料調理 やさいは炒めすぎ みそ汁 沸騰
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恋愛の 方程式に従うも 意図せぬ答えルート迷走   
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赤い実がたわわに枝垂る謎の木は トキワサンザシ と Googleレンズ
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寒冷が 空を冷やして 雲高く あお澄むほどに 秋は深まり
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グーグルに仕組まれていた選択肢気に食わないが必然にする
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着流しの筒井康隆健在で思考の欠片生前贈与
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死ぬまでに何冊本を読めるやら己のために使う脳味噌
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来し方を客観視して我が身さへセルフナッジで現在いまを励ます
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立冬の東の空に浮かびたる眉月の下に明けの明星
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小菊咲く立冬の庭にサルビアは種散らしつつ咲き続けをり
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それとなくナッジ理論をひそませて健診のあとで養生訓を垂る
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秋深し隣地に基礎工事はじまりて突貫工事は暮れまでの由
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をさなごの〈絶対語感〉をつちかへとふ外山滋比古の説にむべな
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和蘭語の「オテンバール」の当て字とふ『御転婆』なれど媼にあらず
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台風が来るので猫を呼びに出た見つからなかったずっとうちにいた
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綺羅星きらぼしの空に耀くはずもなし。「綺羅、星の如く」と切りて読むべし
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『八十五歳の訪問診療医』なる鴎一郎氏は森鴎外の孫なり、励まされたり
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道端の無人の店にて「三袋で三百円」と銭箱へ入る
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回鍋肉カレーにポトフに豚キムチ キャベツ一玉使い切るんだ
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野菜達ひさびさ特価 テンションが上がる水曜チラシのチェック
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懐かしむ 間もなく冬へ衣替え 腕に眩しい半袖の跡   
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眠れないから脳内で宇宙旅行 僕は眠れず月は眠った
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「ガンになれ早くならないと損するぞ」とささやいている掛け捨てガン保険
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虹向こうみぞれはやはり降ってます?手袋入れてあげたら良かった
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