かたさよし あまさひかえめ このましい てまえママレード ゆず十二個分
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をりくなる律儀な女の暮らしぶり泣き明かしつつ縷々かたりをり
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をりくとふ五文字を五句の先に置き穴埋めのごとく折句を詠まむ
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花の色はうつりにけりなと詠みし小町。ふるとながめの掛詞そへ
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序詞や枕詞にみちびかるる和歌の仕掛けに演技さへみゆ
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「言葉による演技」とふ渡部氏の説にならひ三十一文字にて演じてみせむ
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小春日にベランダカフェの椅子あらひ小屋に収めて雪にそなへむ
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『100分de名著』にちなみ実践す吾が健生塾では『スマホdeナッジ』を
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初雪に甘さの増ししプチトマト、ひび割れせしもランチの皿に
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氷雨ふる薄暗き庭をながめつつ温き書斎で読書三昧
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十一月十一日の初雪とは今年も津軽は大雪なるか
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ゴミ袋 しばってみれば もくようび ごみはだせない 勤 老 感謝日
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「苦しいよ」声のする方振り向けば うつぶしている熊のぬいぐるみ
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生菓子を好きで食べていたいのに 何にも味も感じられない
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つかれたね、つかれちゃったね、繰り返しているだけあっ醜いんだね
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崩れかけている洗濯物の山 もたれて眠る西日が温い
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散り果てていつか世界になるのならそのひとかけらをどうか私に
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コンビニを 一歩でたら 冬枯れの 冷たい小雨 空をみあげる
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輪郭を 忘れた月がかしげてる しっとりとただ濡れている土
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「あんたの噛んだ爪がほら浮いてるよ」 母と私と 細い三日月
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夫婦って正解なんてないんだな みなそれぞれの形があって
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煙草たばこかな…」ドラマ見終わり懐かしむ プルースト効果彼の香りだ
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いい夫婦 ってなんだろう 悪くはない まあそれなりの 夫婦でいいや
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寒江や君への言の葉浮かばずに流るる時は凍てざりぬべし
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口まわり乾いた風で吹き芋ふかす季節かペクチンと鳴く
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断捨離でお宝ザクザク山となる 「へそくりしてたな」夫をにら
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珈琲の淹れ方の基礎教わったその老紳士が父であったら
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目の前の大雪山の真白きが飛び込んで来いと向かうハイウェイ
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ちま猫の匂いをかぐのが幸せだ 背中も良いが 小さなお頭つむ>肉球も良し
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東京都 東に眠らぬ街あれば 西の端にはどうぶつの森
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