穂が揺れる田を覆う空雲流れあの人がふっと微笑む温度
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天高く付き添った昨日の悲しみが今日は静かな雨に還って
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孫の手でボリボリ掻いている父の背は 息子をおぶる役目を終えて
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拾ったよ  人魚が忘れた  黒真珠  ケンちゃん! 鹿グソ早く捨てなさい!
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愚痴なるものこぼす分量難しくぶちまけるのが日課となりぬ
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行き先の「光」とついた駅名を寄る辺にして乗る 朝の東京
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天気良し 行楽日和 最高だ わがまま言うと 休みであれば
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夏祭り 街の賑わい感じつつ 二人で過ごす静かな土曜日
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あまあい雨間の 名もなき虫の コーラスに 一億ちょいの 主旋律をば
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暑いねと となりで汗を ぬぐうから 風なりたい 思いはそよぐ
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老い先の短い身ゆえ決断し 合わない奴におさらばあばよ
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積み上げた学びの書物 横目に漫画 ページめくる 背徳の夜更け
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キミのこと バカと罵る先生は 教え方をば 反省するべし/でも復習も大事
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午睡から 覚めてダルさに耐えかねて も一度寝直し 寝違えて沼
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お囃子が聞こえてきたので ねこおきた にぎやかお神輿 チビ猫ビビる
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イレギュラー 一人勝手に疎外感   楽しめないってダメなんすかね
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三歳の娘の汗の匂いして赤子でもなく青年でもなく
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束の間の梅雨の晴れ間に公園は賑わう子らとポケモンGOフェス
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先生にお前はバカかと罵られ 拳を握り復習を誓う
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晴天が 一転にわかにかき曇り ヒグラシ奏でる雨降りの序奏
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今やもう 生命維持の 役割を 遂行すべく フル稼働中
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あめのひは ねこはねている ほぼねてる かつどうてきに なるのはよるだよ
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れるられるつければ敬語できるのか?講師の話耳に入らず
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あと少し夏休みまであと少し風船のはじけるかのごとく
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良い子とは親の言うこと聞く子かなそうでないこと歳重ね知る
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雨降りの時刻までもが予想され偶然のことなくなりてゆく
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ありがたい実家の昼餉親の愛 具材たっぷり冷し中華よ
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爪切って ケア塗り重ね 浮かぬ気分 いそいで上げよう 夜は飲み会
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痩せたのか 腕時計とけいのバンドがゆるんだか 誰もわからない 真実は(いつも)ひとつ
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遊ぶなら ボールかゲーム、遊具とか・・・えぇッ、ご飯食べるしょくじだけ? 大人って変!
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