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標本のやうに良歌を書き留める結社の冊子は熱く息して
6
生温いだれかの履いたスリッパも慣れて
尿
(
ゆまり
)
す工場トイレ
9
若い子も悩みは重くくすぶつて「心に蛆が湧く」なんて歌詞
6
四年一組から我に伝播するMrs.GREEN APPLE『天国』
5
勧められていた曲おもひだし駐車場で聴く妻起きる前
8
懐かしき歌が流れる深夜便 当時のことが頭をよぎる
15
リトマスの 試験紙購入 から始まる わがダーリンの 菜園やいかに
/
酸度計はいらないらしいw
26
降るのかな降らないかなと梅雨冷えにはしり梅雨かな梅雨入りかなと
20
ジャスミンを剪定バッサリ梅雨まぢか長虫脱け殻葉に絡み付く
19
白黒の にわか雨町 傘の無き
小
(
ち
)
さな孤独が 路傍に
佇
(
た
)
ちおり
11
この世には かみも仏もいなくって 慈悲という名の罰の雨だけ
13
早苗田の空に飛行機ひとすじの雲を引きつつ雲間に入りぬ
15
サツキ咲く植え込みの道朝日差し赤き花びらいくつも零れ
9
梅雨
間近
(
まぢか
)
傍らには
妻
(
きみ
)
がいて 小言聞いたり 愚痴うなずいたり
14
運命をながめています天使たち駅のホームに並ぶひとたち
8
紫陽花の花芽みつけし退院日移ろふ季節やっと目に入り
21
寝不足でテンション上がった朝七時 このままなんとか仕事をしよう
6
試験前 仕上げ行う 我が身には 不眠と焦り
春終
(
しゅんしゅう
)
惑う
4
春終わり ぐずつく空を 見上げたる 今年の梅雨は いささか早し
10
一昼夜 おまえの中にいる蟲を 潰せ潰せとヴェノムの咆哮
7
おやすみと言ってスマホるお前には俺と一緒に寝る義務がある
6
ジョギングをウオーキングに格下げし今は散歩でいずれ徘徊
14
勤務先
13
階の喫煙所 煙混じりの溜息の園
23
眠気冴え 余韻の冷めぬ
短夜
(
みじかよ
)
は 君の返信 ただ嬉しくて
25
できる人とできない人しか世にいないそう思えてくる火曜日の朝
8
薔薇の棘とりて一輪挿し気づく萎れの早し棘もいのちと
25
世界から スターが消えた 夜空にも 星影はあり 無数にありて
32
沈黙が 言語に変わる その前の 刹那に揺れる 朝焼けの花
17
悲しくも風鈴の音も騒音と これも時代ね。友ポツリ言ふ
30
「これくらい」机に向かう午前五時 夢では子らにもみくちゃにされ
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