なにゆえに歌わざりけり反核を広島グリーの青春の殻 / 男声合唱団と広島を思う
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窓開けた瞬間熱々蝉シャワー浴びてたちまち夏にびしょ濡れ
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お祈りメール 合わせられた手に中指
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生活が重なる瞬間 音だけの花火に足をとめる人々
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「胃の中に、緋色の蛙飼ってます」「俺の哀しみ、呑み込んでくれ」
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行き違う 二人の心 重なりて 闇夜を包む 夏の星雲
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水風船/見張り番 おれたちだけがスーツを着て 夏の暑さを待ち構える
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人生は戦いと言えばそう生きて 美しいと言えばそう生きていく
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シャワーでも酒でも洗い流せない冷めた衝動溜まる空っぽ
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わたくしを毎回泣かす玉ねぎを戦闘モードでみじん切りする/題『切』
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この手紙最後だとしてもまた食べてしまうのだろう黒ヤギさんは/題『だとしても』
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リテラシーぶっコロしゾーン Twitter 心の戸締まり 心掛けよう
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プーチンと信長の何が違うの と開き直る人々がいずれ出てくる
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ホモ・サピエンスは天下布武の道を通らずに 民族自決主義を超越できるか
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白百合が かみなり雲を 貫いて 盆へと続く 目に見えぬ道
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ミスもなく できていた事 なんで今 大舞台には やはり魔物が
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夕されば野沢の葦に飛ぶ蛍燃えておもひを誰に告ぐらむ
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文月の行くを妬みて吠える雨 雨戸たたきしわれは身構え
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松風の声はにはかに高砂の尾上を過ぐる夕立の雲
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枝繁く重なる楢の広葉よりひまなきものは蝉の諸声もろごゑ
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一日を秒の単位で生きている mustではなく~したいの気持ちで
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夕顔の蕾を探す癖のあり ぐるぐるまわる鉢の周りを
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ミシン踏む軽やかな音きぬも舞い 昭和レトロの ワンピース出来
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夜明け間際の吉野家でずぶ濡れアロハ吠える「狼になりたい」/中島みゆき『狼になりたい』を聴いて
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つらいなう かなりきゃぱいよ マジ卍 チョベリバ気分の廃語ばかり
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宇宙には まだまだ未知の物ばかり ダークマターよおまえは何だ?
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歌を詠む 生みの苦しみ それも良し 己精進させる証よ/今なう
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変異せしヒトツブコムギの発見がヒトに農業を示唆させしとも
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亡父は酒家 晩年好むは甲類焼酎 無味無臭で肴生きると
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自分嫌い 現実逃避の 盾にして 結局何も 進めないまま
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