桜咲く 合格を手に グラスを合わせ 春の訪れ 未来を感じ
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ワイパーを立てるほどでもなかったと隣の車笑っているよう
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手袋を越えて染み来る冷たさにグーパーグーパー買い出し帰る
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敬蟄けいちつに出るのを止めよカエルたち外はみぞれに北風の吹く
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靴を脱ぎ捨て走り出す見せつけろ満月を背にラストジャンプを
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残されし 時間ときをふたりは 愛おしく いつかさよなら、 いまはこのまま
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あるがまま 受け入れられぬ 心情を 受け入れられぬ 堂々巡り
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足ることを 覚えられない わが定め 飢えて渇いて 悶え苦しむ
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悲しさは 望んで止まぬ 欲のせい 感謝忘れた 不徳の至り
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よくやった 移動性の 低気圧 春の矢先の 雪のお見舞い
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子供らが 広場の雪を 踏みしめて 遊ぶ姿は 私と同じ
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道路には 白雪融けて シャーベット 畑に積もる 雪を踏みつつ
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ワイワイと ガヤガヤ議論する企業 意思疎通良く 伸びる絶対条件
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倒れても 倒れてもなお 立ち上がる その「しつこさ」が 本当の勇気かも
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膝痛に歩くに難儀そろそろと公園行けば鳩が寄り来る
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ぎっしりと並んですするラーメンの湯気立ち込める博多の屋台
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いるだけでただいるだけで価値のある花の如くに我はなりたし
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とけてゆく 春に近づく雪だから 少しずつ少しずつさよなら
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靴箱の中 三月みつき経ち 雨靴の 出番を迎え 冷雨れいうを歩む
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校庭に 薄くかかった 白絨毯 踊り描くは 鳥の足跡
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あとすこし手をあげるのが早ければきみと毎朝えさやりできた
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ピーばかり食べるあの子に落花生買ってあげたら違うと言われ
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夜半から降り出した雪ほの白く 弥生の朝の冷え込みは冬
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OSのLINUX LITEとふ名に惹かれマニアの吾が虫また騒ぎ出づ
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線香を たてる習いは なけれども 毎日ともす 我がの前に
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銀世界もっと眺めていたいから 春よ来ないであと少しだけ
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どうしても眠りたくないひたすらに集めた髪を測り束ねる
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冴えかえる桃の節句に雪舞えば言の葉凍えとこに潜りぬ
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先輩の 愛妻家話 聞いている 穴の空いてる 靴下見ながら
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幼少に祖母と過ごした春の日がふと蘇るセビアの色にて
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