自転車のトップスピード駆けていく君はどこの子夏の申し子
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水族館と聞いて想像した通りの色の光を映す固まり
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血液が少しずつ管の中を動くたび冷たい床が揺れるのを聴く
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歌の中 ひそかに隠した『愛してる』今から拾っていかなきゃならない
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本当に 何も理由はないんです 今ならわたし 飛べるかなって
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やり過ぎているがやめれぬことこそを身を切るように諦める愛
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この夜から月が消えても構わないあなたが居れば迷いはしない
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桃色の一筋すくい妹の麺つゆに入れてやる夏盛り
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いざゆかん清く楽しい人生は脚本主演・私で参る
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もう二度と帰らぬ夏を思い出し有り得たはずの夏を夢見る
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膝小僧ふたつ浮かべて金曜日、化石海水の風呂はあたたか
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しとしとと何処にも行けぬ鈍色の文月がほらもうすぐ明ける
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花火の色は炎色反応だと教えてくれた君が好きでした
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僕の好きな色はね天気雨の色 色の名前はわからないけど
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詩情さえ置き去りにして消えるなら代わりにぼくが李徴となろう
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目上げたら空がシトラス色っぽいシトラス色は知らないけれど
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「他の人誘ってますか」 文字だけの予防線さえ青く痛くて
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私にはどうすることもできなくて泣きじゃくる君はゲリラ豪雨
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なんとなくフォトジェニックになりたくて染めた髪がただ傷んでゆく
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君のその 微笑みだけで 頑張れる 言葉を超えて 僕に勇気を
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朝焼けに連なる山のシルエット日の出間近の空気はすが
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世界からわたしが1kg消えるたび褒められるのはどうしてだろう
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踊ったり泣いて喚いて走ったり ひとつになんかならなくていいよ
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何かしても無 何もしなくても無 虚無ばかりあり雨の休日
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人に眼を見られないようにするための前髪だとかサングラスとか
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桃はまだ高くて買えない目の前の白くて丸い膝裏を見る
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息継ぎもせずに人波掻き分けておまえのとこに帰りたいだけ
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猫のない世界線でも平然とひとは暮らして猫だけがない
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香水は大人の気配妖しくてでもあなたには嫌われそうで
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生命の種を手にいれ水をいれすぐに孵化したステゴサウルス
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