「 寂しいと呻き続けて死んでった生命体の生涯」無料配布中
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「そっちじゃない」声に惹かれて道を変え 後ろの天使は嘆き泣いていた
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今はまだ帰らないでと念じつつ間もなく帰る冬鳥を追う
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梅入りのお湯割り焼酎うまいんだまだ冬だろういつまでだろう
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男性器、あ、ダンセイニの、その、口籠る愛はしづけさに消えゆく天使 すべての音楽よわれてゆけ
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大丈夫こんな事では離れない きっとおんなじ月を見ている
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誰でもいい 満足させろよ 小石ども すべて蹴散らす かかってこいや / 早く死合おうぞ
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愛している、あいしているからここまでをわたしの死後に咲く雪とする
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昼休みなんとなく聴くラジオから不意の推し曲心で叫ぶ
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コンクリートを打つ雨音はまぼろし お薬飲んではやくおやすみ
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わたしのエリス 断定的な美を持つてわたしを傷つけてほしいから意味のない口吻を
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永遠ときみの私語とのちかしさは(溶けて)死後何年なんだろうこの世界、墓所
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しずかなる工房のすみ旋盤はしばし火花の日々を忘れて
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花の中 笑うわたしを覚えてて いくつもの季節 しあわせだった
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雪白く残るこの池隠れ家か眠るハクチョウまるで保護色
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一緒だと そう誓いてし 端の指 呪いのように 今も絡まる
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迷わぬ様 置きしパン屑 鳥が喰む グリム童話と 重なる日々よ
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案ずるより産むが易しといふ言葉 一昨日の我に教えてやりたし
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晩御飯 食べたそのあと おやつ食べ 満腹超えて 今日もおやすみ
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三日月の欠けた夜空にジェット機が銀の矢のごと三途を渡る
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偏ったオツムを治す?!いや待てよオツムのズレをなくしたいのだ
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手のひらにとけて消えゆく雪の粒 掴めぬものを掴みたかった
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泡立ちの消えたビールよ人生もそんなもんかと笑い飛ばせよ
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線香の煙立ち昇り空へ消えあなたの記憶薄れていくよう
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さよならの切符はそっと買ってあるどこに行こうと私は知らない
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春が近づいて足音立てる時 どんなパンプス履いてるんだろ
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裏切られた裏切られたというけれど信じたことがあったのかしら
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ビスコ食む弟の手は小さくて 奪う酷さにただたじろぎぬ
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間違っている気がするが正解である必要もない炒め物
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ビスコ食む幾十瀬ぶりだろビスコ食む 酒のあてにはならぬは承知
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