目覚めてゐる 目は閉ぢたまま 土曜の朝
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留守電の長々しゃべる候補者に入れませんよとつぶやいてみる
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『あきらめたらどう?』背中を押す声にあらがうための下手なクロール
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通学の自転車の群れ見送ってはるか昔を思い出す朝
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いつか来る別れを知らぬ顔をして みそ汁の湯気に家族は和む
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足早に前を横切るキジ猫の耳にひとひら桜刻まれ
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何度でも思い出すから消えたって構わないとか言えないけどさ
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今もなお長々ながながし夜に一人寝る仮庵かりほの上に雪はふりつつ
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あー懐かし 幼き息子と 雪の原 転げ回ったり 笑い転げたり
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終電を逃す友連れ 山茶花の散りぬ小径を夜半よわ 家路に就く
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赤子皆生まれる日時ときを選ぶのかならば選ぶは生きるそのもの
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ひとり暮らし とっくに慣れた はずなのに あなたとの場所 ふと帰りたくなる
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帰りたい施設の義姉あねのこころ旅 まぼろしの地に毎日帰る
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赤子皆生まれる日時選ぶのか人生初の選択なのか
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わかるけど 辞めた会社の そばだから そんな理由で いい店なくす?
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寒風の沁みるあかぎれ耐えてみよ 桜の便り今ここに届かむ
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老梅の萎えし枝にも雪積もり 冴え冴えと立ち大寒迎ふ
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早朝の コンビニ灯り 太陽の ごとく輝く 飴ひとつ買う
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願いごと叶えず吹雪に佇みて涙の地蔵に雪はふりつむ
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冬の夜は甘酒ミルクに和みたり良く眠れるの魔法信じつ
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白米の 湯気に鰹節舞い踊る 鼻腔に満る醤油の香り 
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ありえない逆光で鳴る心拍が 愛とかの根拠になればいい
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抱きあうはなくなりしこの年月を越えて息子の目はあたたかし
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「だめな僕」という付箋を貼りすぎて心は糊でベタついている
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守りたい、の「い」で拳を握りしめ 駄目な僕ごと未来へ放つ
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僕たちの未来が朝を連れてくる落第点でも明日はくるよ
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教室の隅に透明な僕がいて ポケットの中、拳は熱い
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恋よりも生活苦やら介護やら若さは強いと老いみておもう
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老い花の恋はまことに見苦しい年老いた今恋も抱かぬ
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歌の芽は夜に吹かれて記憶の灯ゆらり炎は歌と戯れ
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