好きでした。君が歌ったあの曲も。あの曲を歌うあの日の君も。
11
高速へ曲がる荷台に飛び乗れば 僕はどこまで行けるのだろう
5
日は真上 ゆらり揺られる 鉄箱の 外の世界は 異世界かしら
1
夏だねとほほ笑む君から落ちる汗 このままずっと夏ならいいのに
0
「あなたにはいつも笑っていてほしい」私は確かに愛されていた
2
幽霊はどこにでもいる 春過ぎて光は可視化された徒花
1
「猛犬は死んだ」のシールこの街が静かなわけを教えてくれる
1
惜別の覚悟を決めたその朝は背筋が1ミリ天へと伸びる
2
道端で修行と称して立っているような仕事が消えた近代
0
体温も笑顔も持たぬ機械でも恋情とやら持ちえるらしい
1
遠い夏シロツメクサを編みながら遥かを想った それはここだよ
21
帰り道同じと知った君もあの桜の下を通っていたの
3
気持ちよくみんな一緒に暮らすんだよとウクライナの絵本は言う
15
一瞬の光をぼくに焼きつけるきみはアイドルそして流星
2
用有りて 久方ぶりに会う叔父に 今亡き父の面影を見る
2
やらなきゃと焦る気持ちとうらはらに 身体はのんびり 休日の朝
2
紫陽花の写真きれいと送る君 深い意味などないと信じる
0
尾を振りて鋭角ゆ来し顎下を撫ぜ外宇宙へとまた骨投ぐ
1
「生きているだけで疲れるのにさらに生きるためには働けなんて」
3
誕生日はきみの香水がほしいです 香りだけでも一緒になりたい
1
110かぁ」 サイズアウトが早すぎて でも嬉しくて また夏が来る
5
君の背はいかだのように頑丈で乗ったりゆすったりして遊ぶ
1
夏空に梅の豪雨をかけて食む 君の横顔と弾ける花火
0
ループラインが半時止まる、社会の歯車が砂を噛んだので
1
「マルクスに怒られちゃうな」とごちながらせっせと残業する労働者
0
古今千年の歌集に焚きしめられたフェネチルアミンの薫
2
現し身の安息角を見失い辺縁系より零れることば
1
おまえの血が赤い限り過ぎゆくもの全て透明にはならない
3
玄関を開けて溶ける!と言い閉める 夏季限定のドラキュラボディ
1
みんなそれぞれに病気と思っても年金が出るのはごく一部
0